カーター元米大統領が死去 100歳 02年にノーベル平和賞を受賞
紛争の平和的解決に尽力し、ノーベル平和賞を受賞したジミー・カーター元米大統領が29日、米ジョージア州の自宅で死去した。100歳だった。活動拠点だったカーター・センターが声明で明らかにした。 【写真】1979年6月、主要国首脳会議(東京サミット)が東京都港区元赤坂の迎賓館で始まり、会場に入るカーター大統領(当時)。 民主党の大統領として1977~81年、「人権外交」を掲げ、中東和平などに取り組んだ。ただ、米経済の低迷やイランの米大使館人質事件への対応などで支持を失い、再選は果たせなかった。 国際的な評価が高まったのは大統領退任後だ。北朝鮮やキューバ、中東などで独自の民間外交を展開し、対話を通じた平和実現を説いた。2002年にノーベル平和賞を受賞。15年8月に肝臓手術でがんが見つかったことを公表し、治療を受けていたが、23年2月「残された時間を家族と過ごす」として、自宅でホスピスケアを受けると発表した。23年11月には、1946年に結婚した妻ロザリン氏が亡くなっていた。 民主党のバイデン大統領はカーター氏の死去を受け、「その思いやりと倫理の明確性を用いて疾病を撲滅し、平和を作り出し、公民権と人権を進め、自由で公平な選挙を促進し、ホームレスのための居場所を作り、最も弱い人たちのために尽力してきた。世界中で多くの人の命を救った」と追悼する声明を発表。ワシントンで国葬を行う方針を明らかにした。 また、共和党のトランプ次期大統領も声明で「大統領を務めた幸運を持つ我々だけが、史上最高の国を率いる重大な責任を理解できる」と発表。カーター氏について「大統領として直面した課題は、我が国の重要な時期に訪れ、彼は全ての米国人の生活を良くするために最善の努力をした。そのことについて、彼に感謝すべきだ」と述べた。
朝日新聞社