進む空港の民営化 高松、福岡、神戸、富士山静岡空港が民間運営へ
しかし、但馬空港の場合は、空港を運営する但馬空港ターミナル株式会社の資本の3分の2を県や地元市町が保有し、県は人材を出向させているほか、補助金により経営を支援しており、完全に民営化された空港とは言えない。 静岡県が設置権者の富士山静岡空港では、新たに企業を公募し、これまでターミナル運営をしてきた富士山静岡空港株式会社への県出資を止め、県が選定した企業が同社の株式の80%を保有する。 富士山静岡空港株式会社の資本には地元自治体の出資が一部残るものの、基本的には民間資本となり、同株式会社により空港運営が行われることになる。静岡県空港政策課では事業者の選定について「地域と連携し静岡の発展に寄与していただける企業であれば、国内外を問わず対象になる」と話している。
今年7月で民営化1年を迎える仙台国際空港では、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが拠点化するほか、新路線の開設や増便が相次いでおり、空港と周辺との交通アクセスも充実してきているという。国土交通省航空ネットワーク企画課では「LCCを中心に民間独自の目線での取り組みが活発化している」と分析している。 同省によると、熊本空港、広島空港でも民営化の検討が行われており、また、北海道では国、道、市が管理する7空港について一括して民営化することが検討されている。航空会社が乗り入れている空港は全国に97あるとのことなので、空港民営化の取り組みはまだ始まったばかりといえる。 PFIは政府全体で進めている施策。国土交通省は今後、積極的に空港民営化を推進していく方針だが、まずは地元で十分な協議を重ねて民営化に対する理解を得ることが重要だとしている。