2025年 激変する“原付界隈”をホンダ企業広報が回答
バッテリー交換方式と、インドの市場をはじめとする電動化
新基準原付と共に、2025年はバイクの電動化に弾みが付くことも考えられます。新基準原付車格になじむことのできない買替え需要や、ガソリン価格の高騰、ガソリンスタンドの減少による電動への切替が増えることが考えられるからです。
ホンダは2019年から、バッテリー交換方式で電動化を切り拓くことを宣言しています。日本がバッテリー交換方式の先進国となるための方程式について、同課は次のように話しました。 「交換式が拡がるポイントは、二輪車を代表する交換式電池を使うアプリケーションが、様々な領域で充実することと、充電を含め、電池そのものを安心して使いやすくすることと考えている。 Hondaは、二輪車に留まらず交換式電池を使う完成機の拡大を進めておりその他産業機器などのモビリティ以外の製品でもHonda Mobile Power Pack e:の活用を広めている。アプリケーションが増えれば、利用者が増加し、社会での交換式のメリットが認知される」 ホンダは交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」(以下、MPP)を使った電動バイクのモデルを、郵便バイクを含めたすべてのビジネスバイクで用意。個人向けバイクでも50ccクラスとなる「EM1 e:」を販売しています。 2024年、ホンダとヤマハはMPP方式のバイクについても国内での協業を発表し、ヤマハブランドの電動バイクに搭載が決まっています。
さらに、ホンダは交換式バッテリー方式の電動バイクを、インドネシアとインドにも展開することを発表しました。「CUV e:」と「ACTIVA e:」の2モデルで、国内の「EM1 e:」がMPP1個に対して、こちらは各2個を搭載します。 ほかにも、固定式バッテリーを搭載した電動車も発表し、ホンダは2024年を、アジア各国で電動バイク市場へ進出する“電動バイク元年”と位置付けています。 インド市場では三輪タクシー「リキシャ」の動力源として採用を先行させて、バッテリー交換方式の浸透を図ってきました。バッテリーシェアリングスキームの提供会社を設立し、バイクでも利用できるようにバッテリー交換ステーションを整備し、ホンダブランドの浸透を図ってきた経緯もあります。 こうした世界での電動化の波は、国内での電動バイクの購入コストを押し下げ、さらに加速させることにつながるのでしょうか。 「電動化の展開は各国の状況・背景により異なるため、国内への影響については一概にお答えすることはできない。今後の国内の社会情勢や法規、お客様のニーズを捉えながら海外メーカーも含め切磋琢磨しつつ、お客様に喜んでいただける商品をお届けしたい」(前同) さらに、こう話します。 「国内二輪市場でHondaは生活に密着したコミューター領域から電動化を進めていくことに変わりなく、ビジネスとパーソナルの両面から普及に向けた取り組みを着実に進めていく。海外銘柄の電動二輪については、品質も価格競争力も高まっており、Hondaとしては、ICE車両でこれまで培ってきたお客様との信頼関係や販売・メンテナンス網を強みに拡販に努めていく」
インド市場では、交換式バッテリー方式の先行者である台湾メーカー「Gogoro(ゴゴロ)」が進出し、インド国内での新興メーカーとも競争が激化しています。 2024年はほぼ無風状態だった国内。2025年、原付バイクの新車を買うなら、新基準原付バイク? それとも電動バイク?
中島みなみ