永明の返還後「パンダパパの跡継ぎ」 求め和歌山県知事が訪中。気になる 中国側の反応、母娘パンダの今後
前和歌山県知事も訪中
前和歌山県知事の仁坂吉伸氏も「パンダを実際にお借りするためには、基地の意向に加えて、中央、地方政府の結構たくさんの手続きが必要です」と和歌山県研究会のウェブサイトで7月11日(木)に指摘しています。 仁坂氏は「中央政府同士は外務省も動いてくれるだろうし、それに和歌山県には中国政府に大変重きを置かれている二階俊博代議士の存在があるので、できる限り中央政府に積極的な対応をするよう働きかけをしてくれるだろう、だから問題は四川省政府だ」と考え、四川省とも日頃から良好な関係を築けるように、四川省とも日頃から良好な関係を築けるように、四川省庁や成都基地を2019年10月に訪問したと述懐しています。2019年3月に白浜町へ来た成都基地の張志和主任(当時)にも仁坂氏は成都で再会しました。この張氏は日本のパンダファンの間でも知られている人物です。 これらが実を結び、和歌山県と四川省は友好県省関係を2022年1月に締結。岸本知事は訪中時の今年7月23日(火)に四川省の施 小琳(し ・しょうりん)省長と会談しました。
成都基地で雄浜と桃浜を視察
なお、日中友好議員連盟の会長を務める二階代議士は8月下旬に訪中して、中国の王毅外相と8月28日(水)に会談しました。同日夜、中国外交部(外務省)は「王毅氏は、二階俊博氏が中日友好事業へ長期にわたり積極的に身を投じてきたことを高く評価した」と公式サイトに記載。共同通信によると、会談に続く夕食会で、王毅外相は日本へのパンダ貸与に前向きな考えを示したとのことです。日本のどの地域を想定しているかは分かっていません。 岸本知事は7月24日(水)に成都基地を訪ねた際、永明の子どもでアドベンチャーワールド生まれのオスの雄浜(ゆうひん)とメスの桃浜(とうひん)を視察。アワーズからは山本社長や飼育スタッフら計7人が同行しました。雄浜は永明のように子だくさんのパンダで、子どもの1頭はデンマークにいます。桃浜と双子の桜浜(おうひん)、それに永明の計3頭は、昨年2月22日に中国へ渡りました。 一行の視察時、「雄浜は背中を向けていて、桃浜は元気そうでした」(同行した和歌山県の職員)。桜浜は見当たらなかったとのこと。ちょうど公開されていなかったのかもしれません。筆者が昨年10月に訪れた際は、屋外の桃浜のすぐ近くに桜浜もいましたが、一行の視察時は暑かったためか、パンダたちは館内にいたそうです。 一方、永明は現在32歳と高齢なため、成都基地では公開されていません。ある程度の年齢になった高齢パンダは、公開から「引退」することが多いです。 永明は1歳11カ月だった1994年9月6日、メスの蓉浜(ようひん、1997年7月17日死亡)と一緒に中国からアドベンチャーワールドへやって来ました。以来、パンダの飼育管理や繁殖研究のため、成都動物園や成都基地から延べ70人以上のスタッフが派遣されました。こうした同パークの「パンダの日中共同繁殖研究」は2024年9月で30年となります。