夫や当時者の父親からの相談がくることも。不妊カウンセラーに聞く、不妊治療に取り組む人たちの現状
仕事を続けながら不妊治療ができて、妊娠・出産・育児ができる社会であってほしい!
――まだまだ課題が山積みではありますが、そういう発信もとても大事ですね。笛吹さんが、不妊カウンセラーとしてやりがいを感じていることや、この仕事に対する思いなどがあれば教えてください。 笛吹 私に相談をしてくれた人から妊娠や出産の報告があったときは、うれしいですね。私ができることは、一緒に方向性を考えることで、特別な何かをサポートしたわけではないのですが、「ああ、よかったな」とうれしくなります。 もちろん、妊娠・出産にたどりつける人ばかりではありません。そういう人たちも、自分が納得する不妊治療の終わり方を見つけてほしいな…と常に願ってサポートをしています。 とにかく情報がまだ少ないので、適切な情報を提供していくというのが、1つの使命なのかな…と。 あと、私自身、退職して、子どもを授かって、新しい道を自分で見つけて進むというパターンになりましたが、これって、たぶん、だれにでもできることではないと思うんですね。私の場合は、たまたま夫に理解があって、保育園に入れない状況でも実家の両親がサポートしてくれて。まわりの支えがあったから、もう1度キャリアを考えることができましたが、みんながみんな支えがあるわけではないし、支えがあってもなかなかチャンスがないことだってありますよね。 だから、できれば、仕事を続けたいと希望する人が、仕事を続けながら不妊治療ができて、妊娠・出産・育児ができる社会であってほしいです。不妊治療や妊娠・出産・育児のために会社を辞めるという選択を取らなくていい社会になるよう、活動を続けていきたいと思います。 お話・写真提供/笛吹和代さん 取材・文/渡辺有紀子、たまひよONLINE編集部 「希望するすべての人が、仕事と不妊治療・妊娠・出産・育児の両立ができる社会になってほしい」「今後も適切な情報を提供していきたい」という笛吹さん。自身が苦労した経験から、少しでも困っている人の役に立ちたいという思いが伝わってきました。笛吹さんの活動が気になる人は、笛吹さんのホームページもcheckしてみてくださいね。
笛吹和代さん(うすいかずよ)
PROFILE 2008年に結婚し、働きながら妊活・不妊治療を続けるも、2011年に仕事と治療の両立に悩み退職。不妊で悩む女性をサポートしたいという願いから、2015年から個人事業主として妊活や不妊治療に関する発信を開始。2018年に認定不妊カウンセラーの資格を取得。 現在は妊活・不妊治療に関する個別相談、コラム等の執筆、セミナーや研修講師、妊活・不妊治療を支援するベンチャー企業の顧問アドバイザーとして活動している。 ●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。 ●掲載している情報は2024年11月現在のものです。
たまひよ ONLINE編集部