株高であっても、「投資しすぎている」かもしれない5つのサイン(海外)
株式市場に投資しすぎると、たとえ市場が好調なときでも、資産をリスクにさらすことになる。 証券口座から定期的に現金を引き出しているなら、それは市場へ投資しすぎているサインだと言える。 ファイナンシャルアドバイザーは、生活防衛資金や高金利の負債を無視することがないよう警告している。 ウォール街の投資家たちは、2025年を迎えようとするここ数カ月、おおむね楽観的な態度を示してきた。S&P 500やダウ・ジョーンズなどといった主要株価指数は、最近のFRBの利下げとトランプの市場中心政策の期待から、最高値を更新した。 しかし、市場にはいくら投資しても投資のしすぎになることはない、というわけでもない。資産の保護やインフレに対するヘッジとして、投資は不可欠ではあるが、収入からあまりに多くを投資に回すと、経済的な安定性が損なわれる場合もある。 以下、ファイナンシャルアドバイザーたちが指摘する、投資過剰を示すサインを紹介する。
1. 定期的に投資口座から現金を引き出している
「定期的に現金を引き出しているなら、過剰な投資をしている恐れがある」とBusiness Insiderに語るのは、ファセット(Facet)で最高投資責任者を務めるトム・グラフ氏だ。同氏は、授業料や日々の生活費など、短期的な支出をカバーできる現金を確保しておく重要性を強調する。 証券口座は回転ドアではない。定期的にお金を引き出していると、長期的な成長の可能性が損なわれ、追加の手数料がかさんでいく。投資が利益を生むには、時間が必要だ。「投資において最も強力なツールは時間だ」とグラフ氏は言う。
2. 生活防衛資金がない
生活防衛資金を、簡単にアクセスできる場所に確保できていないのなら、それも株式市場に投資しすぎていることを示すもうひとつのサインとみなせる。長期的な資産形成には投資が欠かせないが、病気の治療や失業など、予想外の出費が強いられたときに生活防衛資金があれば安心だ。 ベターメント(Betterment)で上級ファイナンシャルプランナーとして活躍するコービン・ブラックウェル氏は、投資を始める前に、最低でも3カ月分の生活費に相当する額を、緊急時のために確保しておくことを勧めている。 生活防衛資金の確保を怠ると、いつか経済的に深刻な問題に遭遇するかもしれない。想定外の大金が必要になった場合、高い料金を支払って、あるいは損失覚悟で、投資資産を売り払う必要が生じる恐れもある。それがいやなら、個人ローンのような高金利の借金をすることになるだろう。 3. 自分が何に投資しているのかわかっていない 自分が何に投資しているのかがわからなくなっているときも、投資しすぎだと言える。株式市場は威圧的で複雑だが、それでも自分のお金で何が行なわれているのかを知っておくのは大切なことだ。そうすることで、自分の目的、リスク耐性、時間枠に見合った正しいアセットに、確実に投資できる。 グラフ氏は、自分が何に投資しているのかわからないなら、そこにお金を積み立て続けるべきではないと指摘する。たとえファイナンシャルアドバイザーが口座を管理している場合でも、何にどう投資されているのか、本人が把握しておくべきだ。 「結局のところ、それはあなたのお金なのだから」とブラックウェル氏は説明する。「誰も、目を閉じて、何が起こっているのかも知らないまま投資をすべきではない。現在では、ほとんどの世帯にとって投資が欠かせない要素になっているので、なぜ資産が成長しているのか、あるいはしていないのかを理解することが重要になる」 グラフ氏は、投資に関する決定事項を書き留めておくことを勧める。そうしておけば、将来ポートフォリオを見直したときに、なぜそのような投資決断を下したのか、その決断は正しかったか、自分の投資ポートフォリオにとって今も意味があるかなどを評価しやすくなる。