父が「退職金をもらったら、すぐ新NISAに預ける」と言っています。2000万円も投資すれば、結構増えますか?
つみたて投資枠で利率(年率)1%、成長投資枠で利率(年率)2%の複利運用ができれば5年間で61万円増える
以下で、先述の「つみたて投資枠と成長投資枠を利用して、毎年360万円ずつ、5年間かけて1800万円を投資する」プランについて、運用成果をシミュレーションしてみます。条件として、つみたて投資枠では利率(年率)1%、成長投資枠では利率(年率)2%で複利運用できたと仮定します。 このシミュレーションを行うに当たり、「年金終価係数」という係数を使って計算します。つみたて投資枠のシミュレーションに使う年金終価係数は「5.101」、成長投資枠のシミュレーションに使う年金終価係数は「5.204」です。 すると、5年間の運用成果は、以下のようになります(年利率はつみたて投資枠1%、成長投資枠2%)。 ●つみたて投資枠:612万1200円(=120万円×5.101) ●成長投資枠:1248万9600円(=240万円×5.204) その結果、合計金額は1861万800円となり、5年間で61万800円増えたことになります。ただし、この結果はあくまでシミュレーションです。 投資にはリスクが伴うため、資金が増えることもあれば減ることもあります。利率(年率)を高くしてシミュレーションすれば、当然、増える金額は大きくなりますが、反面、リスクも大きくなるという点には注意が必要です。 退職金は、一般に、老後資金に充てられます。このため、退職金を運用する際は、安全性や流動性(換金のしやすさ)を重視し、収益性はあまり求めないほうが無難です。
まとめ
本記事では、退職金2000万円をNISA口座で運用しようと考えている方を想定して、利益のシミュレーションと、退職金をNISA口座で運用するときの注意点について解説しました。 NISAには、年間投資枠や非課税保有限度額が設定されており、それに基づいて運用しなければなりません。例えば、年間投資枠は、つみたて投資枠なら120万円まで、成長投資枠なら240万円までと決められています。非課税保有限度額は1800万円(このうち、成長投資枠は1200円)までと決められています。 退職金を上手に運用できれば、老後の生活は楽になるでしょう。しかし、投資にはリスクが伴います。本記事でのシミュレーションは、つみたて投資枠が利率(年率)1%、成長投資枠が利率(年率)2%を想定しましたが、必ずしも資金が増えるとは限りません。 退職金は、老後資金に充てることが想定されます。リスクを取って目減りしてしまっては元も子もありません。退職金の運用については、どのくらいのリスクに耐えられるのかも考慮して、行っていただきたいと思います。 出典 金融庁 NISA特設ウェブ 執筆者:中村将士 新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
ファイナンシャルフィールド編集部