世界のトップコレクターたちは今年なに買った!? 3名の購入作品を大公開
US版ARTnewsがその年に最もアクティブだった世界のアートコレクター200人を称える「TOP 200 COLLECTORS 2024年版」を発表した。今年もジェフ・ベゾス、ベルナール・アルノー、フランソワ・ピノーといった実業界の重鎮をはじめ、ジョージ・ルーカスや“スウィズ・ビーツ”・ディーンとアリシア・キーズ、ジェイ・Z、ミウッチャ・プラダ、ラフ・シモンズなどおなじみの面々が顔を揃えた。日本からは、大林剛郎、柳井正、田口弘・田口美和に、今回新たに精神科医の高橋龍太郎と実業家・投資家の植島幹九郎が選ばれている。 アート界ではこのところ、市場の低迷に関する話題が引も切らない。しかし、「TOP 200 COLLECTORS 2024年版」に選ばれたコレクターたちは、それに影響されることなく、さまざまな作品を購入して膨大なコレクションをさらに充実させている。そこでこの1年、どんな作品を入手したのかを彼らに振り返ってもらった。また、何人かのコレクターには、購入した作品のどこに惹かれたのかを聞いている。 最近購入した作家として名前が上がったのは、パブロ・ピカソ、ヘレン・フランケンサーラー、ロバート・コレスコット、ロバート・ラウシェンバーグ、フェリックス・ゴンザレス=トレス、ジローラモ・ダ・サンタクローチェなどの美術史に名を残す巨匠から、シアスター・ゲイツ、チャバララ・セルフ、ウッディ・デ・オセロ、ジョーイ・テリル、ダニエル・マッキニー、エマ・ウェブスター、ジェシー・ダーリングなど、今注目の現代アーティストまで幅広い。 以下、トップ200コレクターたちが最近購入した作品の一端を紹介しよう(2024年のコレクター一覧はこちらから)。
高橋龍太郎
TOP 200 COLLECTORS初登場の高橋龍太郎は、平面作品でありながら彫刻のようなボリューム感を備えた絵画を制作する水戸部七絵の作品を購入。中でも《Blue figura》(2023-24、画像参照)は、水戸部にとって最大の作品だ。高橋はUS版ARTnewsに、「純粋に、彼女の作品の過剰さに惹かれるのです」と語っている。