角田裕毅、レッドブルF1の現行規則マシンで急遽ドライブも「全開じゃないのでカラーリングが違うだけ」
先日イギリスで開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード。RBからF1に参戦する角田裕毅もこのイベントに参加し、レッドブルの2022年F1マシンRB18を初めてドライブする機会も手にした。 【ギャラリー】角田裕毅、ホンダRA272をドライブ Goodwood Festival of Speed 角田は本来、ホンダのF1参戦から60周年を迎えたことを記念して、同社が1965年メキシコGPでF1初優勝を挙げたRA272のみをグッドウッドで走らせる予定だった。しかしイベント進行の遅れから、RB18のドライブを担当するはずだったレッドブルのセルジオ・ペレスがフライトのためイベント会場を離れてしまった。 そしてレッドブルの現行規則マシンを走らせることができるドライバーが他にいなかったことから、角田が急遽抜擢されることとなった。ただ突然の起用だったため、角田はRA272を走らせた時と同じジェットヘルメットにゴーグルという姿でRB18を走らせることとなった。 角田は突然のRB18ドライブに関して「何も計画にはありませんでした」と明かした。 「2台をドライブしましたが、予定ではホンダのマシン(RA272)1台に乗るだけでした」 角田はそう説明した。 「でも計画変更でチェコ(ペレス)がいなくなってしまって……イベントそのものが遅れてしまって、飛行機に乗るために帰らなきゃいけなくなったんです」 「それで計画が変更されて、僕がレッドブルのマシンを運転することになりました。幸い、僕が日曜日に運転したマシンを前日に走らせた宮城光さんがいたので、彼がRA272を運転し、僕がレッドブルのマシンを運転しました。(ペレスと)同時に走らせる予定でしたからね」 角田はレッドブル・レーシングの姉妹チームであるRBでF1参戦4年目になるものの、未だシニアチームのマシンをドライブした経験が無かった。今回がレッドブル・レーシングのF1マシン初体験となったものの、角田曰く、グッドウッドではその違いを感じるまでには至らなかったという。 RB18をドライブした感想を尋ねられた角田は、次のように答えた。 「結局はグッドウッドですから。あれはショーカーです」 「全開なんて全くしませんでした。僕としては、カラーリングの違う現行マシンというところです。正直なところ、違いを伝えるのは難しいですよ」 一方で60年近く前のRA272では、現代マシンとの違いを色濃く感じることができたと角田は言う。 「(現行マシンとは)全く異なるマシンです。どちらもF1ですが、F1マシンとは思えません。僕にとってのF1は、今のF1です。1960年代のF1は、歴史的なスポーツカーの中では(自分にとって)最高のマシンと言えます」 「現在のF1マシンは最高のテクノロジーやありとあらゆるモノを組み合わせたベストなマシン、他のどれとも違う別次元のマシンみたいな感じですよね」 「それ(RA272)も同様ですが、もっと古くて歴史的なスポーツカーです。歴史のあるスポーツカーは色々ありますが、あれはその中でもベストですよ」
滑川寛, Oleg Karpov