深刻なプラスチック汚染、今こそ生産自体に総量規制を。汚染研究の第一人者が期待する条約制定
懸念のある化学物質を含む製品をリサイクルすることには合理性がない。日本ではともすれば、「サーキュラーエコノミー(循環型経済)=リサイクル」として語られてきたが、国際的な認識は必ずしもそうではない。生産の総量を減らすことを優先し、どうしても必要なものについては有害な化学物質が検出されないように留意しつつ、リサイクルするといったことが重要だ。 廃棄物管理のヒエラルキーとして語られているように、まずいちばん上位に来るのがリデュース(削減)で、その次がリユース(再利用)、さらにその次にリサイクル、焼却による熱回収、埋め立てといった順序になる。
そして「拡大生産者責任」を徹底させ、メーカーが生産から消費、廃棄に至るプラスチックのライフサイクル全体に費用を含めて責任を持つようにすべきだ。
岡田 広行 :東洋経済 解説部コラムニスト