箱根駅伝 63年ぶりのシード権獲得に挑んだ立教大・安藤圭佑主将が明かす苦闘の1年
【大学卒業を区切りに競技生活は引退】 残念ながら求めていた結果を手に入れることはできなかったが、髙林監督がキーポイントに挙げていた4年生はそれぞれに頑張りを見せた。5区の山本は区間5位、8区の山口は区間6位と好走し、3区の稲塚は区間13位、林は4区12位、安藤は9区11位と粘り、最後まであきらめずにタスキをつないだ。 「今のチームがあるのは、4年生がいろいろなところで努力してきた結果かなと思います。自分もキャプテンをやっていくうえで4年生の仲間に本当に支えてもらいました。今回、4年生のサポートメンバーもタイム計測や給水を頑張ってくれましたし、声かけひとつにしても心にしみるものがあって、4年生が支えてきたチームなんだとあらためて思いました」 「4年間、やりきった?」という問いに、安藤は「うーん」と考え、こう続けた。 「最後の箱根の結果は正直、納得がいっていません。もっと走れたはずなのに、という思いが今も残っています。でも、キャプテンになって一時期は箱根に出られるのかなという不安があったなか、みんなシード権を獲得するために必死になってやってきたし、自分もみんなに支えてもらったので、本当に感謝しかないですね。チームのみんなにはありがとうと伝えたいです」 安藤は大学卒業を区切りに競技生活を引退する。4年間、競技を続けて成長できたことを、今度は別の道でつなげていきたいという。 「来年も(チームを)応援していますし、可能な限りサポートもできればと思っています。シード権獲得を実現する後輩の勇姿を見られたらいいですね」 選手の待機所で談笑する後輩たちを見ながら、安藤は「こいつらならやってくれますよ」と優しい笑顔を見せた。
佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun