ナイキ とアディダスの売上減と人員削減が意味する、スニーカー市場の変化。注目は「スニーカーラボ」の存在
スニーカーラボの可能性
ソウルメイツは厳選されたデジタルデザイナーによるブランド設立を支援しており、ブランドはシャルフーブグループが共同所有している。「我々は生産・法務・マーケティング・管理・コミュニティ構築・卸売などの面で支援を提供するため、デザイナーは自身のデザインに集中し、コミュニティの成長を確かめるだけでいい」とヴィンキア氏は話す。 これらの事業では、シャルフーブグループとソウルメイツが株式の過半数を所有し、デザイナーは最大14%の少数株式を所有している。多くのWeb3プロジェクトと同様に、スニーカーはさまざまなレベルのレア度で提供される。希少性の高いスニーカーには、ソウルメイツが次に取り組むべきプロジェクトに対する投票権や体験が顧客に与えられる。 「コミュニティ、特にDiscord(ディスコード)とTwitterの人々は非常に率直だ。ひどいものだったら、すぐにそうだと我々に教えてくれる」とヴィンキア氏は言う。ソウルメイツにはX(旧Twitter)で6900人のフォロワーがいる。 「ドロップによる過剰生産を避けるために、毎シーズン大規模なコレクションを発表することはない。我々はシーズンを選ばずに、できるだけ多くのオーダーメイド(商品)を手がけていきたい」。 チャルフーブグループは、アトモスジャパン(Atmos Japan)、アラブ首長国連邦のレベルシューズ(Level Shoes)、アブダビのトリアーノ(Tryano)、ドーハのギャラリーラファイエット(Galleries Lafayette)といった百貨店を通じてスニーカーラインを販売することに将来的なチャンスを見出している。同グループは、2024年に向けてパイプラインで採用したデザイナーによるコラボレーションをさらに2つ準備しており、9月と11月にローンチされる予定だ。 ヴィンキア氏とベイリー氏によると、デジタルデザイナーやアスリート、インフルエンサーの成長により、スニーカーラボが開拓できる大きな市場が存在するという。 「大手ブランドにとって、そのような市場すべてを満たす方法を模索するのははるかに困難になるだろう。20年前であれば、複数グループに対して広く対応して同じ商品を売ることは非常に簡単だったが、今では何を売りたいのかについて、より注意深く考えなければならない」とベイリー氏は語る。 [原文:Fashion Briefing: How sneaker labs and incubators are changing the industry] ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:ぬえよしこ、編集:都築成果)
編集部