よろい姿の馬形埴輪初確認 岩戸山古墳出土破片で判明
古墳時代最大の内戦「磐井の乱」の中心だった豪族筑紫君磐井の墓とされる岩戸山古墳(福岡県八女市)で出土した埴輪の破片が、よろいを付けた馬形埴輪の一部だったことが県立九州歴史資料館(同県小郡市)の調査で11日までに分かった。よろいを付けた馬形埴輪が確認されたのは全国初という。韓国・新羅の遺跡では馬のよろい「馬甲」が見つかっており、磐井に対する新羅の影響がうかがえる。 岩戸山古墳は6世紀前半に築造されたと推定され、長さ130メートルを超える前方後円墳。1971年、九州大と八女市教育委員会の発掘調査で埴輪の破片八つや石製品などを発見していた。 昨年度、この八つの破片を改めて調べた際、形状の特徴から全て馬形埴輪の破片と判明。さらに日本各地で出土している武人の埴輪のよろい部分にある格子状の線刻が認められ、馬甲をまとった埴輪と分かった。全体では高さ全長ともに1メートル超だったと推測している。 磐井の乱は、朝鮮半島に出兵しようとしたヤマト政権を磐井が阻み、鎮圧された反乱。