レジェンドに扮したオランダサポの“黒塗りメイク”が波紋! 当人は悪意なしと釈明「僕にとっても楽しみがなくなる」【EURO】
ドイツで盛況を呈する「EURO2024」。ヨーロッパ最強を決める同大会において、列強国のサポーターの装いが物議を醸した。 【動画】サポーター熱狂の豪快弾! オランダとポーランドのハイライトをチェック 波紋を呼んだのは、現地時間6月16日に行われたグループD第1節のポーランド戦を2-1と制したオランダのサポーターの格好だ。 手に汗握る激闘をモノにした精鋭軍団に熱狂した人々の中で、とある3人の白人男性が顔を黒塗りし、ドレッドヘアのかつらを使用。往年のレジェンドであるルート・フリット氏に扮したのだが、これがSNSを中心にネット上で「人種差別的である」「酷い扱いだ」と批判を招いたのである。 白人による黒塗りメイクは、黒人への揶揄を象徴するものとして批判の的となってきた。ゆえに今回のオランダ・サポーターの行為も、レジェンドに対するリスペクトがあったとしても「許されるものではない」と一部メディアで断じられている。英紙『Daily Mail』は「多くの人が非常に不快に感じている。時代を逆戻りしている」と紹介している。 一連の反響拡大を受け、フリット氏は母国の日刊紙『De Telegraaf』で「実際のところ、本当に光栄なことだと感じている。まだ私は忘れられていない」と告白。当該サポーターに対する配慮を呼び掛けている。 ただ、国際映像にも映ってしまった影響もあり、当該サポーターへの批判の声は止む気配はなく、ついには当人も謝罪をする事態に至った。オランダのニュースサイト『Dutch News』の取材に応じたバート・ファン・デ・フェンさんは、「もしかしたら、私がミスをしたか、盲点だったかもしれません。ただ、私がもっともしたくないことは、人々を傷つけることです」と説明。フリットに扮した応援を辞めるとしたうえで、こう続けた。 「私はこの一件で深く考えさせられた。本当に素晴らしい反応もたくさんもらったが、明らかにそうではない意見を持つ人々もいた。それを尊重し、耳を傾けなければいけません。私の演技に対して人々が不快な思いを抱くのは絶対に避けたい。僕は純粋に自分の楽しみのためにフリットに扮しただけだった。でも、今はそうではない。みんなの楽しみがなくなれば、僕にとっても楽しみがなくなる」 ファン・デ・フェンさんのコメントを見ても、今回の黒塗りメイクに人種差別的な意図がなかったと推察できる。ただ、こういった行為に不快感を示す人々がいるというのも事実である。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]