男子５００ｍで３４秒５５のタイムを出し、人さし指を立てる新浜立也

　国内スピードスケートシーズンの開幕を告げる全日本距離別選手権は２５日、長野市のエムウェーブで初日があり、男子５００メートルは日本記録保持者の新浜立也（２８）＝高崎健康福祉大職＝が３４秒５５をマークして優勝した。女子１５００メートルは高木美帆（３０）＝ＴＯＫＩＯインカラミ＝＝が１分５５秒４０で、男子５０００メートルは一戸誠太郎（２８）＝ＡＮＡ＝が６分２４秒６７で優勝した。 　レースを終えると、新浜は左手の人さし指を立てた。「優勝というところに関しては、けが明けとしては満足できる」。腰の大けがから復帰してのシーズン初戦。優勝という結果を喜んだ。 　内容には辛口の自己評価。「全然納得はできていない。２０～３０％くらいしか納得できる部分はなかった」と語る。レース直前の練習で両脚の内転筋に違和感が出て「全体として、攻めきれなかった」と悔やんだ。 　それでも、２０２２年北京五輪３位の森重らに勝ちきった。腰のけがから復帰する過程で「それしかできなかった」と、体幹や下半身のインナーマッスルを鍛え抜いた。結果、パワーだけに頼らない滑りが身に付いた。「タイムとしてはまだまだいけた」。優勝を飾ってなお、伸びしろを感じている。 　状態が戻って持ち前の爆発力が出れば、タイムはもっと短縮できる。「３３秒の領域に戻りたい。ここから自分のスケーティングの精度を上げていかないと到達しない」。世界トップを見据え、滑りを磨いていく。