南海トラフ地震 介護施設でどう対応? 能登半島地震で支援活動し、体制を見直す施設も…BCP策定済み26%
業務継続計画 17%が未着手…事業規模 小さいほど遅れ
災害時でも、介護が必要な高齢者に適切なサービスを提供できるよう、厚生労働省は21年4月から、全ての介護事業者に業務継続計画(BCP)の策定を義務付けている。 事業者はハザードマップで施設の周辺が浸水想定区域かどうかなどリスクを把握し、災害時に職員をどう集めるのか、非常用電源をどう確保するのかといった方針を計画に書き込む。 厚労省の委託調査(23年7月時点)で、回答した全国4990事業所のうち、計画を策定済みは26.8%、策定中は54.9%で、作業に着手していない事業所が17.1%あった。未着手の割合は、職員数が50人以上の事業所で8.4%、10人未満だと20.8%と、規模が小さいほど取り組めていない。 未着手の理由は「時間や職員を確保できない」、「未経験の事態を想定しながら策定するのは難しい」とする事業所が多かった。厚労省は24年4月から、未策定の場合、提供したサービスの対価として支払われる介護報酬を減額するペナルティーも導入。作り方の研修会をオンラインで開いたり、解説動画を公開したりして策定を促している。 ◆南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)= 8月8日に宮崎県沖の日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が起きたのを受け、気象庁が同日、南海トラフ地震の発生可能性が平時より相対的に高まっているとして発表した。15日までの1週間、茨城から沖縄までの29都府県707市町村に対し、備えを再確認し、避難の準備をするよう呼びかけた。 (2024年12月17日付の読売新聞朝刊に掲載された記事です)