「あとはFAだけだった」… 現役引退のソフトバンク古川侑利さん、波瀾万丈のプロ人生に区切り
今季限りでの現役引退を発表したソフトバンクの古川侑利さん(29)が2日、福岡県飯塚市での選手会ゴルフに参加した。波瀾(はらん)万丈だった11年間のプロ生活を振り返った。 ■ティーショットを放ち声を上げる古川侑利さん【写真】 古川さんは佐賀・有田工高から2014年にドラフト4位で楽天に入団した。19年途中にトレードで巨人に移籍。21年に戦力外通告を受けると、12球団合同トライアウトに参加し、日本ハムの新庄剛志監督の目に留まり、22年は育成として日本ハムに入団し、支配下をつかんだ。同年オフには初開催された現役ドラフトでソフトバンクに指名され移籍。23年オフには再び戦力外通告を受け、育成として再契約。24年は支配下をつかめず、3度目の戦力外通行を受けた。 文字にすると、そのキャリアは山あり谷ありだ。古川さんは「あとはFAだけだったんですけど」と冗談を交えて「それをほとんど経験できる人はなかなかいないと思う。後々、自分のキャリアに生かしていきたい」と前を向いた。 11年間の思い出で最初に出てきたのは闘将とのエピーソードだった。「(プロ)1年目に星野(仙一)さんが監督だった。『下に生きがいいのがおる』と1軍に上げてもらって、(1軍の試合で)ボロボロで『使えん』と言って速攻2軍に返されたことを覚えています」。楽天時代の14年、9月14日の西武戦(西武ドーム)で中継ぎとしてプロデビューを飾ったが、1回2安打2四球で1失点とほろ苦いものだった。 「もう一個あります。2017年。これも悪い方なんですけど、9回まで完投しかけていてZOZOマリンでサヨナラ負けを食らった試合ですかね」。こちらも楽天時代の17年。プロ初勝利を目指し、先発で2―2の同点だった9回のマウンドにも上がったが、サヨナラ負けを喫した。「チャンスをいただいたけど、最後の最後に負けてしまった。(1軍投手コーチの)与田(剛)さんに『最後までいけよ』って言われて『分かりました』といったんですけど」と当時の記憶をよみがえらせた。 翌18年にはプロ初勝利を含む4勝を挙げた。その後の19年からは激動のプロ人生を迎えた。「高校を卒業してこの世界に入って、4球団を渡り歩いた。楽しかったなと思えます。みんなが入れるところじゃない。苦しいことがすごく多かったけど、いろんな方に支えられて感謝ばかりです」。今後はスタッフとして球団に残る予定。七転び八起きの現役生活に幕を閉じた。(小畑大悟) 【#OTTOホークス情報】 ▼▼ホントに波瀾万丈、古川侑利さんの野球人生▼▼
西日本新聞社