歌舞伎界のプリンス、市川染五郎が「新春浅草歌舞伎」で魅力全開!【歌舞伎沼への誘い】
市川染五郎さんと「浅草歌舞伎」で〝あいうえおインタビュー!〟
■「映画『ジョーカー』の続編は公開初日に観に行きました」 小僧 さて、ここからは「浅草歌舞伎」(あ・さ・く・さ・か・ぶ・き)にひっかけた質問です。おつきあいください!! 染五郎 あ、はい……。 小僧 では、まず「あ」から。 「あめんぼ あかいな あいうえお」という発声練習がありますよね。歌舞伎にもそういう発声練習法はあるんでしょうか。 染五郎 とくにないですね。ただ僕も長唄と清元を習っているんですけれど、歌舞伎俳優の方々は、みなさん、唄のお稽古を何かしらしていらっしゃるので、そういうお稽古ごとで声の出し方は日々、訓練していると思います。 あと、10月に歌舞伎座の『吉野川』に出ていたときは、玉三郎のおじさまから発声の方法も教えていただきました。 部長 それは貴重ですね。 染五郎 はい。おじさまが人間の顔の断面図みたいなものを持ってきてくださって、声を出すときは、「喉のここを開けるんだよ」って説明してくださって。おじさまは解剖学的な根拠をもとに声も作られているそうで、そういうお話を聞くと、とても説得力があって勉強になりました。 部長 実際、ご自身で発声が変わったと感じましたか。 染五郎 すごく変わりました。これまでとはまったく違うと思います。「あなたはいい声を持っているんだから、ちゃんとした出し方をすれば、もっとよくなる」とおっしゃってくださって嬉しかったですね。 小僧 染五郎さん、もともと声がよく通るけれど、さらに磨きがかかれば、できる役もどんどん増えますね。光秀の声も楽しみです。 で、次は「あさくさかぶき」の「さ」。 「最近(さいきん)ハマっていること」はありますか? これまでも仏像、マイケル・ジャクソン、ジョーカー、沢田研二さんなど、さまざまなものにハマってきた染五郎さんですが、今は? 染五郎 今も全部好きですけれど、最近またジョーカーにハマっています。10月に映画『ジョーカー』の続編(『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』)が公開になって、初日に観に行きました。続編は賛否両論あるんですけれど、個人的にはすごく良かったです。あらためてジョーカーみたいな役をいつかやってみたいなと思いました。 小僧 では、次は「あさくさかぶき」の「く」。 栗のおいしい季節ですが、「栗(くり)で好きなお菓子」は? 染五郎 栗ですか……(笑)。モンブラン、好きですね。あと和菓子好きなので、栗蒸し羊羹とか好きです。 小僧 次は「あさくさかぶき」の「さ」。 「秋刀魚(さんま)がお好きだそうですが(笑)、目黒のさんま祭りには、今年は行きましたか」? 染五郎 いや、行ってないです。というか、今まで一度も行ったことがないんですよ。お肉も好きですけれど、焼き魚も好きで、とくに秋刀魚は大好きなので、いつか行ってみたいです。 小僧 次は「あさくさかぶき」の「か」。 「加藤茶さんと志村けんさん、どっちがお好きですか?」 たぶん幸四郎さんは志村けん派だと思いますが。 染五郎 父の影響で、小さい頃から志村さんのコントはよく見ていました。バカ殿とか、だいじょうぶだぁとか、そういうのを見て育ったので、やっぱり志村さんが好きでしたけれど、大人になるにつれて、加藤茶さんもすごいんだっていうことに気づきはじめた感じです。 小僧 では、「あさくさかぶき」の「ぶ」。 「武器は何ですか?」 ご自身の強みを教えてください。 染五郎 いいところかどうかはわからないんですけれど、わりと自分自身を俯瞰して見るタイプで、それは役者としてすごく必要なところかなと思います。 お芝居の良かったところ、悪かったところを常に分析して、それを修正していかないと成長できないので、一歩、引いて自分を見ることができるのは、役者としてはすごく助かっている部分です。 部長 大人ですね。クールでいいですね。 小僧 では、最後は、「あさくさかぶき」の「き」。 「気になる人」を教えてください。 染五郎 それこそ、映画でジョーカーを演じた俳優のホアキン・フェニックスさん。芝居をしているように見えないというか。その人物にしか見えないんですよね。それがもう本当にすごいなと思います。 小僧 確かにあの狂気、すごいですよね。そして化ける、という意味では、染五郎さんも負けてないですよね。人間豹を演じたときもすごかったです。「新春浅草歌舞伎」でもきっと渾身の演技で魅了してくれるはず!! 部長 ホントお話を聞いて、「新春浅草歌舞伎」、ますます楽しみになりました。そして小僧のくだらない質問につきあってくださった染五郎さんの懐の深さに惚れました~♪ 1月はみなさんもぜひ浅草へGO!!