キリンホールディングス 南方社長生出演 「ファンケル」買収で描く成長戦略とは【Bizスクエア】
――ヘルスサイエンスというのは、健康食品事業。サプリメント・錠剤・ドリンクなどがあるが、ファンケルは化粧品もある。そこにも相乗効果はあるのか。 キリンホールディングス 代表取締役社長COO 南方健志氏: 中からの健康も大事だが、外からの健康も大事なアプローチだと思っている。ファンケルの持っているスキンケア事業は、キリングループがこれから目指す健康事業にとって、非常に重要な役割を果たしてくれると期待している。 ――2023年にブラックモアズというオーストラリアの大きな健康食品会社も買収した。これは海外への販売でのシナジーを創出したいということか。 キリンホールディングス 代表取締役社長COO 南方健志氏: ブラックモアズは、90年以上の歴史のある健康食品会社。オーストラリアに本社あるが、実際には、東南アジア・中国でも非常に幅広く事業を展開していて、強いブランド力・顧客基盤を持っている。これからこのアジアパシフィック地域で、ファンケルも一緒になり、3社が持っている強みを掛け合わせながら、いろんな提案・チャレンジをして、健康課題に向き合っていく企業として、最大級のヘルスカンパニーを目指したい。 キリンが医療域での研究開発を始めたのは1982年。2010年に世界で初めて免疫の司令塔を活性化できる「プラズマ乳酸菌」を発見した。そして2020年に日本初の「免疫での機能性表示食品」が受理されている。 ――元々、ビール会社であるキリンには、こういう技術の素地がたくさんあるのか。 キリンホールディングス 代表取締役社長COO 南方健志氏: 100年以上の歴史のあるビール事業から、培われた「発酵バイオテクノロジー」が、非常に強みだ。バイオテクノロジーは「生き物の力をいかに引き出すか」ということだが、それがあるから40年前に医薬事業にも参入し、大きく成長している。これからヘルスサイエンスは、大きな事業として成長できる。この技術が、事業の支えとして、これからも大事な役割を果たすのではないかと思っている。