近藤真彦JRP会長がスーパーフォーミュラ全開デモラン! 還暦祝う『60』番で富士を駆け抜ける「本来の楽しさはここだ」
10月12日、静岡県の富士スピードウェイで行われている2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権第6&7戦にて、株式会社日本レースプロモーション(JRP)の近藤真彦会長がSF23開発車両『赤寅』に乗り込み、集まった観客の前でデモランを披露した。 【写真】デモランで現行のスーパーフォーミュラマシン『SF23』に乗って富士スピードウェイを駆け抜ける近藤真彦JRP会長 週末に2レースを開催するダブルヘッダー形式で行われている第6&7戦富士。土曜日の午前中に行われた第6戦の予選を終えた12時過ぎ、ヘルメットとレーシングスーツを身に着けた近藤会長は『赤寅』に乗り込んだ。 今回乗り込んだ赤寅のノーズには『60』番のゼッケンが貼られており、先日60歳の誕生日を迎えた近藤会長の還暦祝いとなるスペシャルなデモランに、サーキット中の観客も注目。メインストレート上で、トヨタ自動車豊田章男会長とホンダ・レーシングの渡辺康治社長らに見守られるなか、近藤会長が乗り込んで準備が整うと、エンジンに火が入りデモランはスタートした。 9月26日のカーボンニュートラル(CN)開発テストにて赤寅をドライブしている近藤会長は、力強いエンジン音を轟かせてコースイン。 近藤会長の乗る赤寅は、集まった観客の期待に応える走りでアウトラップをまわり、メインストレートを全開で駆け抜けた。 そのままTGR(1)コーナーを無事に抜けた近藤会長の乗るSF23は、アウトラップよりも勢いのついたペースで各コーナーをまわり、再度メインストレートを通過。 続く周回も勢いそのままに駆け抜け、決勝レースを待つ観客をさらに盛り上げる走りを披露した近藤会長は3周のデモランを無事に走り終えた。 全開走行を終えてガレージへと向かう近藤会長は、無線で「(山下)健太、代われ!」と叫んで会場のファンを沸かせ、その次に観客や、トヨタ自動車豊田章男会長とホンダ・レーシングの渡辺康治社長へ向け、デモラン実現の感謝を伝えた。 その後、走行を終えてすぐの会長は囲み取材に答え、デモランの感想を言葉にした。 「スタートも、本当はもうちょっとホイールスピンしたかったのですが、エンストしなかっただけでも上出来だと思います。とにかくみんなに安全に安全にと言われて(笑)」と笑顔の近藤会長。 「(プッシュした)2周目は、もう当時と一緒でした。次のコーナーまでどうしようって感じで、もう何も考えられないですね。(SF23のドライブ中は)すごくいろいろ考えなきゃいけなくて、当時は何か体で、動物的な勘みたいなもので乗っていましたが、やっぱり今は見るもののは多いし手も動かさなきゃいけない。だからもうそういう意味じゃ、僕らが走っていたころのフォーミュラニッポン、F3000の時代の当時のF1カーみたいだなというイメージでしたね」 「GT500も僕は経験していますが、やっぱりこの目線ですよね。もう路面が一番近いところの、この視線で走る。コーナーの縁石が迫ってくるこの感覚、やっぱりこれはシングルシーターに尽きるんじゃないかなと思いました」と興奮冷めやらぬ様子で語った。 これをきっかけに、他のレースに出ることはあるのかと問われると、「ないと思うけど」としつつ、デモランによって得た新鮮な感覚をJRP会長としてヒントにしたいと語った。 「これまで、レースはビジネスだと言ってきたことが、そこの皮が1枚抜けたというか、『本来の楽しさはここだな』と感じることができました。その楽しさと、あとはマックススピードでこのマシンが21台も走るというこの迫力を、僕は伝える側として伝えていきたいなと思います」 [オートスポーツweb 2024年10月12日]