カフェインだけじゃない! 「甘味料」も体内時計を狂わす一因に 新たな事実が判明
広島大学らの研究グループは、「カフェインと甘味料を加えた水をマウスに与えたところ、体内時計が乱れた」という研究成果を発表しました。この内容について松澤医師に伺いました。 【イラスト解説】コーヒーを1日2杯以上飲む高血圧患者は「心血管疾患」死亡リスク2倍
研究グループが発表した内容とは?
編集部: 広島大学らの研究グループが発表した内容を教えてください。 松澤先生: 今回紹介する研究は、広島大学らの研究グループが発表したもので、研究結果は学術誌の「npj Science of Food」に掲載されています。 疫学研究から、夜型の人は朝型の人と比べて、多くのカフェイン飲料を摂取していることが知られており、カフェインは体内時計の周期を延ばすことが細胞・動物実験で明らかになっています。 カフェインを摂取する際、苦味を軽減するために甘味を混ぜることが多いため、研究グループは甘味カフェイン水の体内時計への影響をマウス実験で調べました。 研究グループは 「一般的なエスプレッソの半分の濃度のカフェイン水」「甘味料も加えたカフェイン水」「通常の水」の3種類の液体を用意しました。そして、マウスを3グループに分け、それぞれの液体を飲ませて1週間以上観察しました。 実験の結果、甘いカフェイン水を摂取したグループは、1日のリズムが26~30時間周期と乱れて、昼夜が逆転するケースもあることがわかりました。甘いカフェイン水の摂取をやめると、マウスの体内時計は元のリズムに戻ったそうです。 また、カフェイン水と通常の水の2グループについては、生活リズムの大きな変化がみられませんでした。甘味によりマウスの飲水量は増えていなかったことから、研究グループは「カフェインと甘味の両方が影響し、このような活動リズムが出現した」と考えています。 今回得られた結果について、研究グループは「本研究ではカフェイン摂取によって夜眠れなくなり、遅寝・遅起きといった生活リズムになってしまう可能性を示唆するだけでなく、カフェイン飲料への甘味の追加が、その影響をさらに悪化させることが結果として示されたと考えます」とコメントしています。