カフェインだけじゃない! 「甘味料」も体内時計を狂わす一因に 新たな事実が判明
研究を実施した背景とは?
編集部: 広島大学らの研究グループが発表した内容への受け止めを教えてください。 松澤先生: カフェインが覚醒作用や睡眠リズムに影響を与えることは知られていましたが、甘味との組み合わせがさらに強力な影響を及ぼすことが、今回の研究で明らかにされました。 特に、昼夜の活動リズムが逆転し、腎臓などの末梢臓器の体内時計が乱れる点は新しい知見であり、臨床的にも無視できない問題です。 今回の研究結果は、甘味を含むカフェイン飲料を日常的に摂取している人々に対して、睡眠障害や体内リズムの乱れを引き起こすリスクが高まる可能性を示唆しています。 不眠や昼夜逆転の症状を訴える患者に対しては、甘味カフェイン飲料の摂取を控えるよう指導することが有効です。 さらに、代謝関連の慢性疾患を持つ患者、例えば糖尿病や肥満の患者にとっても、この種の飲料の摂取は代謝に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。 カフェイン摂取に対する適切な指導が、特に夕方以降の摂取を避けて量を制限することを中心におこなわれるべきであり、この研究結果は日常生活におけるカフェインのリスク管理の重要性を強調しています。
研究グループが考える今後の展開は?
編集部: 広島大学らの研究グループが考える今後の展開を教えてください。 松澤先生: 今回の研究はもともと、「砂糖を混ぜたら、マウスもカフェインをたくさん摂取する」と想定して始められたそうです。ところが、実際には飲水量は増えなかったにも関わらず、活動リズムの大きな後退が起きるという結果が出ました。 研究グループは「メタンフェタミン、カフェイン、甘味料は、脳内報酬系であるドーパミン神経を活性化させる」と指摘しており、「今後はドーパミン神経に着目して、長周期の活動リズムの出現メカニズムに迫りたい」とコメントしています。 また、「カフェインは体内時計の調節効果を強く持つことから、ベストな摂取タイミングの検討も今後は進めていきたい」とも考えているとのことです。