「バズーカ緩和」は消費税引き上げへの布石なのか?
ちなみに金融政策によって円安に誘導され、それが国内の物価に影響を与えているという説について、田中教授はこう反論しています。 「『円安で生活悪化』説は、誤解といえます。現在の消費者物価指数(生鮮食料品除く総合。コアCPI)は8月は前年比3.1%です。このうちエネルギーによるプラスは0.8%で、消費税増税によるプラスが2.1%、残り0.2%が需要増加分です。5月以降でみてもエネルギーのプラス分は前年比1.2%、1.0%、1.0%、0.8%と減少傾向にあり、消費税増税のプラス分は逆に増加しています。つまり、消費税増税が消費者物価指数をあげている主要因なのです。それが我われの生活を困窮化(特に低所得者層の)しているのが現状といえます」 (ライター・島田健弘)