【赤裸々に語る】『全てを彼から学んだ』元検事正からの性加害訴える女性検事が激白「何度も殺された」 検察トップの犯行は「検察組織の土壌が作り上げたもの」「私は検事の仕事をしたいだけなのに…」(単独インタビュー全文掲載=後編=)
■「被告は自己保身の塊」「同意していたといえる具体的な事実は何一つない」
A この関係性さえ認識していれば、その故意があると言っていく一つの要素にもなるだろうし、あと性行為に至るまでの経緯の中で、例えば、そういう関係性にあっても、加害者側から、実はとても好きだと、好きだし、そういう関係を匂わすような、すごく僕はあなたのことが個人的に大好きなのだということを言ったりなどしているのであれば、単に食事をしてるだけとか、単に会っただけとか、それだったら性行為が前提となってないじゃないですか。 それなのにいきなり性行為をされたら、びっくりして抵抗する、同意をしてないということを言いにくくなる。例えば、複数人から性行為されることを、おそらく一般的な常識的に考えたら、同意をしない意思をなかなか示すことは難しい。そういう事実となると思います。 ケースバイケースですが、そういう一個一個の事実を認識していれば、行為は認定できるので、そう考えていったときに、北川被告が私との性行為を、私が同意していたと思っていたと言えるような、具体的な事実は何一つないと思っています、私は証拠関係を見たところ。 だから、同意があったと思っていたという主張は、その主張をし始めた時から、全く合理的な根拠がないからおかしいじゃないですかということを、北川被告に対しても、直接私は何度も言っています。何度もメールでも、彼が捕まった後も内容証明を送って、賠償金をつき返す時に、同意があったと思っていたという主張はおかしいでしょということを文章に書いて送りつけていますから。 それを分かった上で、今もなおこれを主張しているのが、本当に自己保身の塊で、被害者の気持ち、私の気持ちを1ミリも考えていないというのが、明らかです。なので、本当に残念な人だと思います。
■男性同士なら“レイプ”と思われる…「なぜ女性だけ自宅に行くと仕方ないという風潮になるのか」
Q 日本社会の中でよく言われるような「男の人とお酒を飲んだから、そういう性的行為に至ることも合意の上だった」とか「男の人の家に行ったから、性行為をしてもいいという同意のサインだった」というようなことを社会通念上言われることがある。 A 私はそういう時にいつも思うのは、例えば、男性同士でお酒を飲むとして、男性同士がお酒を飲んですごく酔っ払うとする。でも、一方の男性は、もう一方の男性に対して性的な関係を持ちたいと思っていたが、それはおくびにも出さず、被害者側の男性は単にお酒を一緒に飲んでただけだった。それで、どこかに連れ込まれてレイプされた場合に、その男性がいっぱいお酒を飲んでいたからレイプされてもいいとみんな思いますかと、思うんですよ。 なぜ女性だけが、そのお酒をいっぱい飲んでいたからレイプされても仕方がないよねという風潮になるのかが理解できないし、家に行くというのも、自宅に行くことは自宅に行くという事実なのであって、そこはいろいろな目的があって自宅に行くわけだから、自宅に行く=性行為を許容しているなんて、もう明らかに、非常識な発想です。 良識ある裁判官はそういうふうにきちんと認定されていますので、一部誤っている人はいますが、そのような誤った認識や認知が悪影響をもたらしていると思いますし、それは公表されてる裁判例でも、男女のそういう性の営みというのはとてもプライベートなものだから、本当にその性行為に至るまでのいろいろなものを飛躍して同意があったと思っているというのは、それはその加害者の認知が歪んでいるから、その認知が歪んでいることをその故意がなかったということに結びつかないと。それは関係ない、あなたがおかしいからというふうに、裁判で判断されているものも多数ありますから、そういう常識的な、本当に被害者の心理に寄り添った常識的な認定を、警察も検察も裁判官も弁護士もすべきだと思います。