6月には「200円」で買えていた卵が、スーパーで「250円」に! 原因は“ニワトリの夏バテ”だと聞きましたが、涼しくなれば価格は落ち着きますか?
スーパーの卵コーナーで、「また値上がりしてる」と感じた人もいるのではないでしょうか。物価の優等生とも呼ばれる卵ですが、JA全農たまごによると、東京地区で2024年6月に200円だった価格が、9月の今は248円に値上がりしています。 例年であれば、1年の中で卵の需要が少ない6月~8月は価格が安くなる時期ですが、なぜ高くなっているのでしょうか。本記事では、卵の価格が上がっている理由を検証し、値下がりが期待できる時期について考察します。 ▼4人家族で食費「月8万円」は高い? 1人当たりの“平均”もあわせて解説
卵価格が上がっているのはなぜ?
卵の価格が上がっている主な要因として、季節的要因と経済的要因が考えられます。 まず、季節的要因としては、夏の暑さによるニワトリへの影響です。一般的に、ニワトリは暑さに弱く、夏場は食欲が落ちる傾向があります。2024年は全国各地で猛暑日が続き、卵の大きさや産卵数の減少、暑さによる健康被害が見られました。 次に、経済的要因には、飼料価格の変動が影響していると考えられます。農林水産省によると、日本は飼料の自給率が低く、その多くを輸入に頼っています。そのため、海外の飼料価格が上がると、国内の生産コストも上がってしまうのです。 これらの要因が複合的に作用し、卵価格の上昇につながっていると考えられます。
過去にもあったニワトリの夏バテ
JA全農たまごのデータを見ると、過去にも夏場に卵価格が上昇した年がありました。 例えば2015年は、7月初旬に東京地区でMサイズ1キロあたり220円だった卸売り価格が、同年11月には最高値の273円にまで達しました。価格が落ち着いたのは翌年の2016年1月以降です。 この年の価格上昇の主な原因は、猛暑による産卵量の減少です。暑さで鶏が食欲を失い、特に大玉卵の生産が難しくなりました。生産者は扇風機の増設や餌エサの工夫など対策を講じましたが、影響を完全に防ぐことはできませんでした。 この状況は2015年だけでなく、夏場の高温が続く年に見られる現象で、卵価格の季節変動の一因となっています。