イスラエル首相の側近、情報漏えいで逮捕 ガザ停戦阻止が狙いだったとの批判
(CNN) イスラエル警察は、機密情報を外国メディアに漏えいした疑いでネタニヤフ首相の側近エリエゼル・フェルドシュタイン氏を逮捕した。 野党指導者らは、この機密情報について「ねつ造」されたもので、パレスチナ自治区ガザ地区での停戦と人質協定を阻止するための策略の一環だったと主張している。 捜査は首相府が外国メディアに広めたとされる主張を中心として進められている。その主張とはイスラム組織ハマスがネタニヤフ氏に人質解放と停戦の協定を迫るためにガザからエジプト国境を越えて人質をひそかに移し、イスラエル社会を分断させる計画を立てているというものだ。 3日に公開された裁判所文書によると、フェルドシュタイン氏は「機密情報」の漏えいに関して取り調べを受けている数人のうちのひとり。同氏は野党政治家からネタニヤフ氏の側近として名前を挙げられている。イスラエル軍のシステムから取得され「違法に発行された」情報によって、イスラエルがガザでハマスが拘束している人質を解放する能力が損なわれた可能性があるという。 ネタニヤフ氏の報道官は、首相府から漏えいがあったことを否定。フェルドシュタイン氏に言及し、この「人物は安全保障関連の議論に一度も参加していない」と述べた。 首相府はまた、この情報漏えいがガザからの人質解放をめぐるハマスとの交渉に影響を与えた可能性があるとの主張を「ばかげている」と一蹴した。 最大野党を率いるヤイル・ラピド氏は3日、首相府が人質取引の可能性を妨害し、人質の家族に不利な世論を形成するために偽造された機密文書を漏えいしたと非難した。 ガザで拘束されている人質の家族らは、ネタニヤフ氏についてガザでの戦闘が終結すれば選挙の実施を強いられると考え、ハマスとの合意を繰り返し妨害していると非難している。