「スポーツドリンクの飲み過ぎ」が危険な理由をご存知ですか? 死に至る可能性も?
スポーツドリンクを飲み過ぎると引き起こす「ペットボトル症候群」とは
編集部: スポーツドリンクの飲み過ぎについて調べると「ペットボトル症候群」という言葉が出てきました。ペットボトル症候群について教えてください。 高木さん: ペットボトル症候群とは、糖分を過剰摂取したときに現れる症状です。具体的な症状として、喉の渇きや倦怠感、吐き気、多量の尿が現れるといわれています。ペットボトル症候群は別名「糖尿病性ケトアシドーシス」「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれます。 編集部: ペットボトル症候群は、糖尿病の人に起こるものでしょうか? 高木さん: ペットボトル症候群の症状は、急性の糖尿病で起こるものです。糖尿病でない人でも、スポーツドリンクや炭酸水、ジュースなどの清涼飲料水を大量に飲み続けると「ペットボトル症候群」の可能性が高くなります。 清涼飲料水を大量に飲むと、血糖値が急上昇して、喉が渇いてしまい、さらに清涼飲料水を摂取するという悪循環に陥る可能性があるのです。 編集部: 高血糖が続くと、なぜ危険なのでしょうか? 高木さん: 高血糖状態が続くと、健康リスクが増加し、最悪の場合深刻な状態も考えられます。高血糖の状態が続くと、インスリンの分泌が減少したり働きも悪くなったりします。 糖分がエネルギー源として効率的に利用できなくなるため、代わりにタンパク質や脂肪がエネルギー源として利用され、その際に出る物質が「ケトン体」です。 ケトン体が増えると、喉の渇きや倦怠感、吐き気、多量の尿といった症状が出始め、ひどくなると意識がもうろうとしたり、昏睡状態になったりと、危険な状態も考えられます。
スポーツドリンクの代わりに、水やノンカフェインのお茶を飲もう
編集部: スポーツドリンクの代わりに、何の飲み物を飲むといいのでしょうか? 高木さん: スポーツドリンクの代わりに、水やノンカフェインのお茶をおすすめします。また成人の場合、1日に必要な水分摂取量は1.5~2.0リットル飲むといいでしょう。 ※「水は1日どれくらい飲めば良いか | 健康長寿ネット」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/water.html 編集部: スポーツドリンクはどういうときに飲むのがいいのでしょうか? 高木さん: スポーツドリンクを日常的な水分補給の代わりに飲むのはひかえましょう。激しいスポーツをしているときや、発熱や嘔吐の症状があって食事が摂れないときに飲むことを推奨します。 編集部: スーパーやコンビニで、さまざまなスポーツドリンクが売られています。どのように表示を見て、確認するといいでしょうか? 高木さん: スポーツドリンクを選ぶ際は、表示を確認してから購入しましょう。「無糖・ゼロ・ノン・レス」と表示されていても、少量の糖分が含まれていることがあるので、注意することが大切です。