「スポーツドリンクの飲み過ぎ」が危険な理由をご存知ですか? 死に至る可能性も?
「熱中症対策にスポーツドリンクは欠かせない」と聞いたことがある方は多いと思います。しかし、スポーツドリンクの摂り過ぎは健康に悪影響を与える可能性があります。健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるので、飲み過ぎには注意が必要です。 【イラスト解説】隠れ糖尿病に注意!「血糖値スパイク」の危険性 今回は、1日に必要な糖分摂取量とスポーツドリンクの糖分の量を比較し、スポーツドリンクを飲み過ぎると健康に与える影響について、管理栄養士の高木さんに解説していただきました。
スポーツドリンクや経口補水液には実はたくさんの糖分が含まれている!
編集部: スポーツドリンクにはどのくらいの糖分が含まれているのでしょうか? 高木さん: スポーツドリンクのほかに、一般的なジュースや炭酸飲料などの「清涼飲料水」の糖分は、ペットボトル1本(500ml)あたり30~60gです。 WHOの指針によると、食事以外で1日に必要な糖分の量は、1日の必要なカロリーの5%程度、つまり25g程度と示しています。500mlのペットボトル1本分のスポーツドリンクを飲んでしまうと、1日の必要な糖分の量を超えてしまいます。 ※「WHOガイドラインで成人および小児に推奨されている糖分の摂取に関する情報」 https://www.who.int/publications/i/item/WHO-NMH-NHD-15.3 編集部: なぜ、糖分を摂り過ぎるとよくないのでしょうか? 高木さん: 糖分の摂り過ぎは、肥満や生活習慣病リスクが高まる原因となることがあります。糖分を摂り過ぎると、体内でインスリンというホルモンが過剰に分泌されます。 インスリンは、血糖値を下げる働きがあり、糖分過多の状態では、使いきれなかったブドウ糖が中性脂肪として蓄積される可能性があるのです。その結果、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まります。 ※「インスリン | e-ヘルスネット(厚生労働省)」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html 編集部: 多くの子どもがスポーツドリンクを持っているのを見かけます。むし歯の原因にもなると思うのですが、いかがでしょうか? 高木さん: スポーツドリンクを飲み過ぎると、スポーツドリンクに含まれる糖分がむし歯の原因になります。スポーツドリンクを飲む頻度が多いと、歯に付着しているむし歯菌が糖分を摂取し、酸を作って歯を溶かします。 口の中が酸性に傾くと、歯が溶かされやすくなり、むし歯ができてしまうのです。スポーツドリンクを飲んだあとは、水やお茶で口をゆすぐだけでも、むし歯予防になります。