未婚女性より深刻、50歳で未婚男性の「孤独」...定年後、死ぬまで働き続ける「結婚していないミドルシニア」の切ない事情【CFPが解説】
国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」によると、2020(令和2)年の「50歳時の未婚率」は男性が28.3%、女性が17.8%で、年々増加傾向が見られます。今後、結婚をする人が増えなければ、ミドルシニア未婚者の単身世帯の数は、今後多くなることが想定されます。本稿では具体的な調査結果を踏まえて、ミドルシニア未婚者のキャリアに対する意識について、日本総合研究所創発戦略センタースペシャリストの小島明子氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
ミドルシニア未婚男性は未婚女性よりも友人との交流が少ない
ミドルシニア未婚者に対して、友人の数について尋ねたところ、「年齢が10歳以上若い友人」は「0人」という回答が最も多く、全体の約6割に上ります。性別で比べると、「年齢が10歳以上若い友人」は「0人」という回答が、男性では66.8%、女性では59.6%と最も多くなっております。一方、「悩みごとを相談できる友人」は男性では「0人」という回答が50.4%と最も多いものの、女性では、「2~3人」という回答が42.0%と最も多くなっています。 さまざまな相手と「共食(共に食事をすること)」する頻度を尋ねたところ、「家族」については、「毎日」を選択した人が最も多く約3割です。その他の相手については、「まったくない」が最も多く、「仕事の知り合い(職場の人除く)」は約6割、「学生時代の友人」、「社会人になってからの友人」は約半数、「地域の人」は約9割に上ります。男女別に比べると、「学生時代の友人」、「社会人になってからの友人」については、女性のほうが男性よりも、「共食」をする相手がおり、頻度もやや高めである状況がうかがえます。 これらのことから、年齢が10歳以上若い友人がいない人は男女ともに半数以上に上るものの、女性のほうが男性よりも悩み事を話せる友人や、食事をする頻度が高いことがわかります。本調査の対象者は、皆仕事をしていますが、働いていても、主に男性においては、人間関係が希薄であり、退職したあとの孤独・孤立の問題が生じることが懸念されます。