超短命政権の危機を脱した石破首相を待つ「3大関門」
■年頭会見でトーンダウンも、国会での追及材料に そうした中、石破首相の本格的仕事始めともなった6日昼、恒例の三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝した後、同市内で年頭記者会見を行った。石破首相は記者団との質疑応答の中で、24日召集予定の次期通常国会での与野党攻防について「臨む姿勢は臨時国会と何も変わらない」とまずは強調。 そのうえで、年末年始の一連の“石破発言”について「大連立をするなどとは、1回も言ったことはない。『そういう可能性はありますよね』と申し上げただけ」などと苦笑交じりにはぐらかし、「(衆参同日選断行など)力に頼るリーダーシップを発揮するつもりはない」とあえて強気の姿勢をトーンダウンさせた。
これについて、永田町では「厳しい状況が続く対野党折衝をにらみ、臨機応変に対応する姿勢をアピールすることで、与野党双方に“石破主導”の国会運営を意識させるのが狙い」(閣僚経験者)との受け止めが大勢だ。ただ、自民党内からは「本来、同日選や大連立などを口にすること自体がトップリーダーとしての資質や見識が問われる」との厳しい声もあり、通常国会開幕直後の各党代表質問や衆院予算委での野党側の追及材料になることは避けられない状況だ。
泉 宏 :政治ジャーナリスト