超短命政権の危機を脱した石破首相を待つ「3大関門」
さらに、石破首相は28日に出演した読売テレビの報道番組で、来夏の参院選にあわせて衆院解散・総選挙を行う「衆参同日選」にも言及。同番組で、衆参同日選の可能性について問われた際、「これはある。参議院と衆議院の(選挙)時期が同時ではいけないという決まりはない」と発言し、次期通常国会会期末に野党提出の内閣不信任案が可決された場合、衆院を解散して7月20日投開票が見込まれる参院選との衆参同日選に踏み切る可能性を示唆した。
加えて、元旦の1月1日に放送された(収録は2024年12月24日)文化放送の番組では、与野党の主要政党による「大連立」政権の可能性についても、「選択肢としてはあるだろう」と語るなど、政局絡みの踏み込んだ発言を連発した。 ■野党各党はそろって「大連立」を否定 この「大連立」については、すぐさま野田佳彦・立憲民主党代表ら各野党トップが年頭会見で、「平時では私はそういうこと(大連立)は考えていない。むしろ政権を交代させるために、野党の力を結集することに主眼を置いて取り組んでいく」(野田氏)、「連立入りするつもりは全くない」(古川元久・国民民主代表代行)「立ち位置は明確に野党だ」(前原誠司・日本維新の会共同代表)などとそろって強く否定した。
もともと、自民党内で秘かに取りざたされていた衆参同日選説は、「反石破勢力による次期通常国会前半での“石破おろし”後に、新総理・総裁が断行する構想」だった(旧安倍派幹部)とされる。ただ、「年末年始の石破首相の一連の発言で、そうした動きは沈静化した」(自民長老)との見方が支配的だ。要するに「石破首相の“脅し”が効いた」(政治ジャーナリスト)というわけだ。 ただ、こうした石破首相の政権維持戦略も、「内閣支持率次第ですぐ流れが変わる」(同)というのが実態だ。年明け以降の各種世論調査でも内閣支持率は低迷傾向が続いており、「閣僚のスキャンダルや、新たな『政治とカネの問題』の発覚などによって支持率が急落すれば、自民党内の反石破勢力も一気に動き出す」(自民長老)のは否定できない。