元市役所職員がフェラーリ乗り続け40年 愛車がつないだ出会い「オーナーだったら参加していいって」
「フェラーリオーナー」が条件のパーティーに参加 後藤久美子の愛車を聞くと…
「一つだけいいもの見せますよ」と見せてくれたのは、フランスの元F1レーサー、ジャン・アレジとの2ショットだ。 「ジャン・アレジがある時、F1レースが終わって群馬県の沼田に来たんですよ。ジャン・アレジを囲んでパーティーがあって行ったんです」 F1ドライバーとしての活躍、後藤久美子との交際発覚で、当時のアレジは“時の人”。参加にはある条件があった。 「フェラーリのオーナーだったら参加していいって言うんですよ」 井野さんは愛車が縁で、憧れのアレジと対面することができた。 「私はちょっとだけイタリア語がしゃべれるんですよ。こういう車が好きだから、NHKのイタリア語講座で勉強していて」 マネジャーのマリオ宮川氏を通じて「サインが欲しい」とねだった。車にあったのはフェラーリのミニカーと純正の車検証入れ。急いで会場に戻り、直筆のサインを入れてもらった。 「マリオ、悪いけど、私と一緒にアレジと写真撮ってくれよ。そうじゃないと証拠にならないから」 撮影を終えると、気になっていた質問をアレジにぶつけた。 「マリオに、『ジャンに奥さんの後藤久美子が何乗ってるか聞いてくれる?』と聞いたら、ジャンは『僕が結婚した時に、久美子にはフェラーリディーノをプレゼントしたんだ』と言ったんだよ。だからディーノを持っている。今は分からないけどね(笑い)」 宮川氏の父が前橋出身ということもあり、話は弾んだ。「こんな近くで会えるとは思ってなかった」という夢のような時間を過ごすことができた。
浮気は一度だけ 知人の言葉に迷いが生じるも…「やっぱりフェラーリがいい」
フェラーリに乗り続けて40年の井野さんだが、一度だけ浮気をしたことがある。 「ある時、仲間に『フェラーリ乗ってる人は皆さん最後は必ずランボルギーニ欲しがるよ』と言われて、それが呪文のように効いてね。本当にそうなっちゃったんですよ」 ランボルギーニ・ディアブロを購入して乗っていたが、フェラーリが恋しくなった。 「フェラーリに乗ってみると分かるけど、やっぱりフェラーリがいいですよ」 10年ほど前に880万円で328GTSを入手した。 現在75歳。人生の半分以上をフェラーリと駆け抜けてきたが、これが最後の1台と決めている。 「少なくとも80までは乗っていたいね」。残された時間を愛車とともに目いっぱい楽しむつもりだ。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム