【40代・50代、心不全パンデミックに要注意!】40代からの心臓をむしばむ、5大リスクとは?
心不全なんて高齢者の病気、まだまだ先のこと…と思っていないだろうか? それは大きな間違いだ。「40代、50代はすでに予備軍の人がたくさんいます。今からの心がけが重要です」と話す心臓病のスペシャリストである循環器内科医の大島一太さんにその対策法を伺った。
血圧が高めというだけで心不全は始まっている
特にコロナ禍から頻繁に聞くようになった「心不全」。実はその前から心不全に罹患する人が増えていて、現在の患者数は約120万人。これから高齢者が増えることを見越して、2030年には130万人に達すると予想されている。こうした爆発的な増加は、感染症の大流行になぞらえて「心不全パンデミック」と呼ばれている。 ※詳しくは第1回<【40代・50代、心不全パンデミックに要注意! 】50代以上の多くが「隠れ心不全」!>参照。 心不全と聞くと、突然死につながりかねない心筋梗塞などを思い浮かべる人がほとんどではないだろうか? 「もちろんそれも心不全のひとつですが、実は心臓病が心不全になるだけではありません。心不全とは、心臓に負荷がかかったさまざまな状態を総称する病態と考えていただきたいのです。 例えば、貧血や高血圧、ぜんそく、タバコによるCOPD(肺気腫など)、肥満など、これらは心臓の病気ではありませんが、心臓に大きな負担をかけており、広い意味で心不全と考えます。 ですから、たとえ若い人でも貧血ぎみ、血圧が高め、タバコがやめられない、太りすぎ…といった人たちは、自覚症状がなくても立派な心不全予備軍といえます」(大島先生) 特に女性は40歳を過ぎた更年期世代から、貧血や高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病が増えてくる。長年の生活習慣による悪影響が心身に現れてくるのもこの頃。 「心不全は時間をかけて徐々に進行していく病態です。何も症状がない予備軍の時期、もしくはそれ以前の段階から進行をくい止める意識が重要です。40代、50代を無自覚に過ごすのではなく、心不全への知識を深め、予防を心がけていただきたいのです」