けっこう時間に厳しい!? 夕闇のプールではしゃぐ山女たち「翌朝もワンチャンあるかも!」
■モーニングコーヒーの前、ワンチャンあるかも!
東の空がうっすら明るみ出した頃、山あいにたなびく雲が薄紅色に染まり、ぼんやりとした山々の境界線が徐々にはっきりとしてきます。のんびりと川を眺めながらコーヒーを飲みたいところですが、早起きの山女が寝ぼけまなこ状態(勝手なイメージです)のうちに勝負したいところです。 朝4時半の水温は12.3℃でした。どこか語呂がいい数字の並びに励まされるように釣りを始めます。虫たちも少し飛んでいましたが、それより水面を流下する虫に注目していると、申し訳程度、まさに寝起きを感じさせるような控えめなライズを見逃しません。水面に張り付くような羽を広げた状態を模したフライをそっと流すと、スローモーションのように水面下に魚の横顔が見えました。しっかりとフライを咥えた山女、ワンチャンありました。 今年は昨年に続き山々の積雪が少なかったせいで、すでに川の水量が減っています。このままでは簡単に水温が上がり、問題になっている外来種の藻の繁殖にも繋がってしまいそう。災害にならない程度、山と川に潤いをもたらしてくれる雨が継続して降り続けてくれることに期待するばかりです。 杉村 航(すぎむら わたる) 山岳フォトグラファー。 1974年生まれ。兵庫県育ちの長野県在住。 沢に薮山、山スキー、道なき道をいく山旅が好き。 ライフワークはトラウトフィッシング。美しいヤマメや イワナを求めて、全国の渓流に足しげく通う日々。 小谷村山案内人組合所属、北アルプス北部遭対協。 全日本釣り団体協議会公認・フィッシングインストラクター
杉村 航