難病でも「地域で暮らす」選択肢知ってほしい 自立して生活する女性の思い「自らが望む生活」実現には周囲の理解と協力が不可欠
宅野さん 「私たち障害によっては飲食が難しい人とかもいらっしゃるので、音楽だったらみんな一緒に音を楽しめるから」 ■「自由な暮らしができる」と知って 宅野さんをCIL下関に招いたのも河本代表でした。「障害のある人も自由な暮らしができると知ってほしい」との思いで活動しているといいます。 記者 「自立した生活を送れる一番の良さというのはどんなところですか?」 河本代表 「それは決まっているじゃないですか。自由ですよ。自由権です。親でも施設でも病院でもない、そういうふうな束縛されない自由権ですよ。これが欲しいんだと」 身体障害があり施設で暮らしていた河本代表は、自身が地域で暮らし始めた日を振り返ります。 河本代表 「友達のところに転がり込んで、友達ときょうはすき焼きをしようというふうになって。で、実は僕施設のすき焼き嫌いだったんです。それはどういうことかというと、糸こんにゃくに油がずるずるとついてくるんですよ。冷えているということ。白い膜が張っている。こんなすき焼きをずっと食べさせられてきたので、すき焼きかあ…となったわけですけど、そこで食べたすき焼きは本当においしかったですよ。でね、食べてそのあと9時くらいにきょう麻雀しようとなって、寝たの5時です、次の日起きたのが12時回っていたと思います。そのときに本当に自由だと思ったんです。そのときに涙が出るほどうれしかった。そんな自由を味わってほしい、みんな」 ■共生社会へ必要なことは 障害がある人もない人も分け隔てなく社会で幸福に暮らす。「共生社会」の実現に向け、必要と感じていることとは。 河本代表 「食堂に行くとね、ここは車いすだめなんでって言われました。そういうふうなことがたびたびあるので、社会の意識や慣習といったものが変わっていかないと、僕はどんな法律が変わっても変わらないんだろうなと思います」 介助人材の不足も課題だといいます。 宅野さん 「地域で暮らしたいけど介助してくれる人がいない、集まらないとかいうことで、難しかったりとかも実際あるので、そこに対する保障を国がもっと積極的にしてくれればまたちょっと違うのかなと思ったりします」