“愛嬌でここまで来た…”新卒女子に、話し方のプロ千葉佳織さんが授けた「信頼される魔法」
というわけで、話し方トレーニングのプロ・千葉佳織さんに助けを求めてみた
米久保 千葉さん、よろしくお願いします。今日は話し方に関する悩みを相談させていただきたいです。 千葉さん 「話」に悩む方って、ものすごく多いんですよ。 というのも、私たちは毎日6.1時間話していると言われていて。 米久保 そんなにですか? 千葉さん 多いですよね。人生の4分の1は話している時間という計算になります。 それなのに「話し方」については誰も教えてくれないし、課題を感じても、根本的な原因や解決への道筋が見えないのが、厄介なポイントです。 話の仕方は、「コンテンツ」と「デリバリー」の2つにわけてトレーニングをすることが大事です。 「コンテンツ」は言葉の構成や、中身(内容)をどう構築するか。「デリバリー」は音声や動作(声の抑揚やジェスチャー)を指します。 両方の正解を自分で導き出せるようになれば、もっと米久保さんらしさがあらわれつつ、信頼感がある話し方になりますよ。
「自己紹介していただいていいですか?」いきなり実戦形式の千葉さん道場
米久保 そもそも、どこから直せばいいのかを教えていただきたくて。 千葉さん ではせっかくなので…、自己紹介をしていただいてもいいですか? 米久保 わかりました…! はじめまして、24新卒の米久保美帆と申します。“よねみほ”って社内では呼ばれているので、“よねみほ”って呼んでいただけたらうれしいです。 大学は神奈川大学っていう大学に通っていて、「Fラン、Fラン」とめちゃくちゃ罵られているんですが、Fランだからこその元気だったりとか明るさっていうものを活かして、頑張っていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。 今は編集部のコンテンツチームにいさせていただいてるんですけど、その前は営業チームにいさせていただいてました。人と話すことがすごく好きなので、皆さん、話しかけてくれたらうれしいです。よろしくお願いいたします。 千葉さん …親しみが持てる自己紹介ですね! 自己紹介をしてみて、いかがでしたか? 米久保 自分の経験はなんとか話せても、パッと深いことが言えるタイプじゃないなとあらためて思いました… 千葉さん まずよかったところは、全体的に米久保さんの“人となり”がわかることです。 なぜわかるのかというと、コンテンツとして自己開示が入っていたから。 ご自身にとってそんなにポジティブじゃない情報も入っていたのは面白いですよね。「Fランってからかわれたりするけど」と言いつつ、みんなから親しまれていることを印象づけられるのは、強みだなと感じました。 米久保 よかった… 千葉さん 「たくさん話しかけてください」というように自分が望むことをはっきり言うのも、聞き手を前向きな気持ちにさせていいです。 一方で、ご自身がどんなことを培ってきたかという「ファクト」の情報をもっと組み込むとよさそうです。 米久保 それはどういう…? 千葉さん 営業では、すごく実績を上げていたというお話を伺ったんですけど、そういう「しっかりしている」ことがわかるファクト情報を、ご自身の親しみやすいストーリーと混ぜるといいと思いますよ。 説得力がある話をするには、「ファクト」と「ストーリー」の2つの要素を組み合わせることが重要です。 「ファクト」というのは、誰が見ても同じ情報のこと。基礎情報や事実事項です。そして「ストーリー」はその人らしい言葉や、価値観についてです。 今回だとどんなふうに呼んでほしいか、自分はどんなことをしているときが楽しいかなど、米久保さんの「ストーリー」は伝わります。 そこで、米久保さんの「ファクト」情報を探せたらと思うんですが、入社後はどんなお仕事をしてこられましたか? 米久保 最初は新R25の「新25Business」というプロダクトの営業チームに配属され、10月からはコンテンツチームで取材や企画づくり、編集などをやってます。 千葉さん 営業で何本ぐらいの記事や企画に関わってきたかという数字は、思い浮かびますか? 米久保 …会社数は、100社ちょいありました。 千葉さん おおー、それです! 数字は自分からつくりにいきましょう。 “新卒”は若くてフレッシュという面がありつつも、経験としてはうがった見方をする人もいると思うんです。 そういう場合に、「ファクト」をしっかり伝えることで、ご自身の信頼感を保つことができます。 米久保 ただ、私はそういう「数字」を言うことに戸惑いがあって… 自慢になってしまうんじゃないかという拒否反応があって、言わないようにしていた部分もあるんです。 自慢にならずに「ファクト」を伝えるにはどうしたらいいですか? 千葉さん 自慢には、“感謝”か“運”をつけましょう。 米久保 感謝か運? 千葉さん たとえば、 「120、130社の皆さんとやり取りをさせていただきました。自分自身はまだまだこれからなので、多くの皆さんに助けていただきながらという状態ではあるんですけれども、誰よりも熱量と、あと愛嬌を持ってやっているのは確かなので、ぜひよろしくお願いします!」 ってお伝えしたら、あまり嫌味ではないと思うのですが、 どうですか? 米久保 たしかに感謝を添えるかたちで言うと、自慢っぽく聞こえないですね。 千葉さん あとは「偶然」。「私が多くの方と触れ合えたのはすごく運が良かったんです」といった言い方です。 社会人で難しいのは、「謙遜」と「自慢」の間をとる必要があることですよね。 相手に信頼感をもってもらうためには、「自分は何ができるのか」について、自信をもってお話をする必要があります。その際、 “感謝”や“運”をセットで話すことによって、よりよく見せられると思いますよ。