リストラ9000人 業績悪化の日産自動車 復活のカギは【Bizスクエア】
こうした中、日産がアメリカで現地従業員の6%に当たる数百人規模を削減し、タイでは約1000人を対象に、削減や配置転換を行う方針であることが明らかになった。さらに主力市場のアメリカでは、2025年3月末まで生産台数を前年比で17%減らすとしている。苦境に立たされている背景に、北米や中国での販売不振がある。 ■日産 業績が大幅悪化 販売不振の背景は お客様のニーズにお応えする商品をタイムリーに提供できてないことも大きな課題となっている。北米市場ではハイブリッド車が売れ筋だが日産は投入しておらず、奨励金を増やさないと車が売れない状態。また中国では現地のEV電気自動車との競争で苦戦し、販売台数は前期と比べて5%減っている。 さらに11月25日、アメリカのトランプ次期大統領がメキシコからの全ての輸入品に25%の関税を課すと表明。日産はメキシコの工場で作った車をアメリカで多く販売するため、大きな痛手となる。 こうした業績不振について30年以上にわたり自動車産業の調査に携わってきた中西孝樹氏は… ナカニシ自動車産業リサーチ 中西孝樹 代表アナリスト: 自分たちの良い技術に固執をしてしまって、環境が変わったのに、その次の対策を打たなかった。 日産の業績低迷について中西さんは、「業績が好調だった23年度のうちにやるべきことができなかったことが原因だ」と指摘する。 ナカニシ自動車産業リサーチ 中西孝樹 代表アナリスト: 実は去年の23年度まで業績は好調だった。日産はそういった追い風が吹いているときに、もっと商品開発するとか、必要なハイブリッドを準備することをやらないといけなかったが結果としてルノーとの関係を修復する、いわゆる資本のリバランスみたいなことやっていた。その間に急に外部環境が変わった。それで急にインセンティブ(販売推奨金)を使わないと売れない。アメリカはハイブリッドブームがやってきて、日産の本当に最も大切なローグ(ガソリン車)という主力の車種、日本でいえばエクストレイル。これが全く売れないと。