松下信治選手(No.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)「最悪バトルになったとしても絶対に負けないと思っていた」 | SUPER GT 2024 第4戦 富士【SUPERGT あの瞬間】
── さて、決勝レース。序盤からリードを築く形でドライバー交代を迎えました。接戦での交代と比べ、ドライバー心理も違ってくるものですか?
松下:(交代時のギャップは)6~7秒だったと思うんですが、例えば(2位と)2秒差とか1秒差とかだったらひとつのミスもできないし、アウトラップのペースもやっぱり限界以上にリスクを犯さないといけないので、すべてにもう余裕がなくなってきますよね。正確な数字は覚えてないんですけど、今回は(2位との差が)5秒以上あったっていうことだったんで、アウトラップでは“イージー(落ち着いた)”な気持ちで、“よっしゃ、行くか!”みたいな感じでした。(野尻には)すごくありがたいギャップを作ってもらったなと思います。
── レース終盤に向かうなか、2位の100号車との差が縮まり、時には1秒を切るような状況になりました。これには何か理由があったのですか?
松下:やっぱり50度近くの路面温度で走ると、タイヤが最後まで持つかっていうことが本当にずっと心配事でした。どのチーム、どのドライバーもそうだと思うんですけど。そういう部分で、(前半スティントで)7秒近くギャップを築いてもらったので、最初は“タイヤセーブ”でずっと走ったんです。そしたら、もう数周のうちに100号車がすぐうしろに来ちゃった。なので、自分が思っていたペースよりもペースを上げなきゃいけなかったというか……。(ペースを)徐々に上げていくつもりが、意外と早めに上げないといけなかった。予想外にペースのいい100号車に追い立てられたという感じでしたね。
── ペースアップし、再び100号車とのギャップを築いて優勝に向かうわけですが、勝利の確信はどのあたりからありましたか?
松下:もう最初から……もし最悪バトルになったとしても絶対に負けないって思ってました。“今回勝つのは8号車だな”ということを、本当に思ってました。クルマの出来も良かったですしね。そういう意味では、迫られたとき含め、全然落ち着いてレースができたかなと思います。