松下信治選手(No.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)「最悪バトルになったとしても絶対に負けないと思っていた」 | SUPER GT 2024 第4戦 富士【SUPERGT あの瞬間】
松下:初めて会ったのを覚えてないぐらい前です。僕、4歳ぐらいでカートを始めたんですが、“クイック羽生”っていう埼玉のカートコースで始めたんです。そこで前から走ってたのが、智紀だったんです。年齢で言うと多分4つぐらい違って……僕のきょうだいの長女が智紀と同い年なんです。(野尻が)上のクラスで走ってたんで、子供のときは4つも年上だと“お兄ちゃん”って感じなんですが、なんか智紀に関しては“お兄ちゃん”じゃなくて、同じような目線で(レースを)やってたんですよね。で、その延長線で今まで来てしまってて。普通、成人して4つも(年齢が)違ったら、“先輩・後輩”みたいになるとは思うんですけど、そういうのはあんまり僕は好きじゃなくて。僕の好き嫌いで決めちゃいいことではないと思うんですが、智紀もそれを受け入れてくれてるんで。結構フランクに友人みたいな感じでやってくれてるっていう感じですね。
── フランクな付き合いということですが、 松下選手にとって野尻選手はどういう人ですか?
松下:“いい人”ですね。人として素晴らしいと思います、本当に。レーシングドライバーのイメージって、結構アグレッシブだったりとか……スピーディ(機敏)なイメージがあると思うんですけど、そういう意味で言うとまったく逆ですね。せかせかしないし、ドンと構えてるという感じですかね。やっぱり器がデカいんでしょうね。だから、僕がこんな感じでいても全然それも気にならないんだろうし。まぁ勝手に俺が言ってるだけですけど、そうなんじゃないかなと予想してます。僕と仲がいい人って、基本的にみんな器が大きい人だと思っているので(笑)。
── 知り合って四半世紀、レースをする上でのメリットはたくさんあると思います。コンビを組んで4戦終わりましたが、逆にデメリットはありましたか?
松下:デメリットというか、やりづらさはないですね。もう何年も智紀がこのチームにいて、(関係を)構築していて……。智紀はエンジニアともSF(スーパーフォーミュラ)でペアを組んでると思うので、そういう意味でも本当に助かっています。新規加入したりすると、チームによっては、まずは“お前がついてこい”、“こっちに合わせろ”みたいな感じの雰囲気があると思うんですが、まったくそれがない。それは多分、智紀が僕にそういう環境を与えようと、チームに対してもそういう風な姿勢でいてくれてるんじゃないかなと勝手に想像しています。