2024年ベストバイは「Apple Vision Pro」 2つの新体験に満足も、「アプリ」と「重量」は改善してほしい
メリットがある一方で、困っていることも
ここまでは買ってよかったことだが、対応するアプリの少なさが使用上のボトルネックとなっている。Appleの「iPhoneやiPadのアプリがそのまま使える」という触れ込みとは違い、購入から半年が経過した現在もApp StoreにGmail、Google マップ、YouTubeなどのGoogle系アプリ、Netflixなどはない。 かぶると外界も手元も見えづらくなり、映画鑑賞やゲーム程度にしか活用できなかったVRゴーグルと比べて、Vision Proはできることが多いと感じるが、Vision Proでさらに多くのアプリを体験したいとも思うところ。現状は映画ならPrime Video、メールなら標準のメールアプリ、会議はZoomといったように使い分けではいるが、それでもGmailやYouTubeなどGoogle系のアプリはVision Proにも欲しいところだ。 使用する際に最も困るのは重量だ。Vision Proの約600gは重たい部類に入る200g台のスマートフォンが約3台分に相当する。Vision Proは後頭部と側面に接する太いバンドで安定性を高める「ソロニットバンド」に加え、頭頂部と後頭部に接する2本のストラップで安定性を高める「デュアルループバンド」が付属する。 どちらかといえば、ソロニットバンドの方が安定するが、それでもディスプレイやカメラが備わり、目を覆う前方部分に重量が偏ってしまい、使っていると次第に頭が疲れてくる。だからこそ、といっては語弊があるかもしれないが、「バッテリーのみの使用で最大2時間、動画再生なら最大2.5時間」という連続駆動時間がそれほど気にはならない。 実際のところ、Vision Proとソロニットバンドの組み合わせで、2.5時間以上連続で使用したことがないためだ。逆にそれほど頭に負担がかかり、使うのをためらうときもある。価格以前に、「対応するアプリの少なさ」と「重量」の2点を改善できなければ、Vision Proの未来はないともいえそうだ。
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