現場復帰した星野監督が抱く『楽天再浮上計画』
リーグ最低の得点力しかない打線の強化も問題だが、9勝5敗の則本以外、期待していた先発ピッチャーのほとんどが黒星が先行してしまっている。その投手陣の立て直しが急務だ。特に2勝9敗の美馬、6勝9敗の辛島が大誤算で、星野監督が田中将大の抜けた穴を埋める戦力として期待を寄せていた塩見も3勝4敗、飛躍しかけた2年目の森も2勝3敗のまま2軍で調整中。監督復帰した星野監督は、佐藤投手コーチとのタッグで、根気よく投手陣の整備から手をつけていくチームの浮上構想を持っている。58試合も残っているのだ。 星野監督が休養以来、代行監督だけでなく、コーチ陣の入れ替えや配置転換が、何度も行われた。こう何度も指揮系統が入れ替わっていると、選手も、いったいどこを向いて戦えばいいのかもわからなくなる。だが、闘将がベンチに戻ってきたことで、曖昧だった指揮系統に一本の筋ができる。 間違いなくベンチにも緊張感が戻るだろう。一人ひとりの技量にそう差のないプロ野球の世界では、実は、チームメンタルが与える影響は大きい。それは集中力であり、あきらめない力であるが、星野監督が、持ち前のリーダーシップで、チームがここから進むべき方向をハッキリと指し示していけば、崩壊しかけていた、そのチームメンタルが、逞しく蘇ってくる可能性も高い。CS圏内までは6.5差。まだまだ絶望的な数字ではない。星野監督の現場復帰は、楽天逆襲の始まりとなるはすだ。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)