2025年、全国各地で行われる注目の芸術祭・建築祭5選。
●香川『瀬戸内国際芸術祭2025』(春:2025年4月18日~5月25日、夏:8月1日~31日、秋・10月3日~11月9日)
外国からもたくさんの人が訪れる「瀬戸内国際芸術祭」を始め、新しいものも加わって2025年も充実の芸術祭が目白押し。海で、山で、街中で、見逃せない5つの芸術祭を紹介します! 第6回を迎える2025年の「瀬戸内国際芸術祭」は、いつものように春・夏・秋の3会期に分けて開催される。会場はこれまでの直島や高松港のほか、夏会期に香川県さぬき市の志度・津田エリア、東かがわ市の引田エリア、秋会期に宇多津町の宇多津エリアが加わり、全部で17のエリアになる。 総合ディレクターは北川フラム、主な参加作家は梅田哲也、小谷元彦、ニキータ・カダン、建築家の大西麻貴+百田有希など。また、アジアとの関係性を深めるべくタイのジャッガイ・シリブート、台湾の雲門舞集といった作家も参加する。さらに、ニュージーランドの先住民族にルーツを持つサラ・ハドソン、月をモチーフにした作品などを制作しているロシアのレオニート・チシコフ&マリーナ・モスクヴィナら、世界の諸相を見ることができる作品も見どころのひとつだ。 会期中は周辺の8館で「瀬戸芸美術館連携プロジェクト」が行われる。〈大原美術館〉の『森村泰昌展(仮称)』(2025年10月7日~11月9日)、〈兵庫県立美術館〉の『特別展 藤田嗣治×国吉康雄展(仮称)』(2025年6月14日~8月17日)など、芸術祭と合わせて見たい特別企画が並ぶ。共通チケット、周遊ツアーなどでじっくり鑑賞したい。
●大阪『Study: 大阪関西国際芸術祭 2025』(2025年4月13日~10月13日)
2022年からプレイベントとして3回開催された『Study:大阪関西国際芸術祭』。2025年、大阪・関西万博の開催に合わせて規模を拡大して開催する。 本芸術祭には、見る人を圧倒する巨大な人体彫刻で知られるロン・ミュエク、生命体のようなユニークなオブジェを作るパトリシア・ピッチニーニ、現代社会の矛盾をユーモラスな視点で喚起するマウリツィオ・カテランらが参加する。彼らの作品は安藤忠雄設計の〈大阪文化館・天保山〉(旧サントリー・ミュージアム)に展示される。 また、西成エリアではアートの力で多様な出会いを生み出してきたアートプロジェクト「釜ヶ崎芸術大学」と、手芸を通じて記憶を紡ぐ活動で知られる「kioku手芸館 たんす」を拠点に活動する「NISHINARI YOSHIO」が参加、より包括的な展開を見せる。 会場には他に黒川紀章設計の〈大阪府立国際会議場〉(グランキューブ大阪)や船場、JR大阪駅エリアなど。さらには大阪・関西万博会場内でも『Study:大阪関西国際芸術祭/ EXPO PUBLIC ART』を開催する。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする万博年に「人間とは何か」「アート×ヒト×社会の関係」を考察する芸術祭だ。