「フェラガモ」の命運握る29歳デザイナーが語る 伝統を前進させる覚悟
マクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)が「フェラガモ(FERRAGAMO)」のクリエイティブ・ディレクターに就任して約2年がたった。2022年3月に弱冠26歳で大役に抜擢された彼は、同年9月にデビューショーを開き、新たな章の幕開けを印象付けるミニマルで若々しいコレクションを披露。以来、豊富なアーカイブと向き合いながら自身のモダンな感性を生かし、1927年創業の老舗ブランドを未来へと推し進めている。そんなデイヴィス=クリエイティブ・ディレクターに、日本のメディアで初めての独占インタビューを実施。創業者や伝統への敬意から、デザインに対する考え方までを聞いた。 【画像】「フェラガモ」の命運握る29歳デザイナーが語る 伝統を前進させる覚悟
必要だったのは、新たな始まりだと感じさせること
WWD:就任当時は相当なプレッシャーがあったのでは?
マクシミリアン・デイヴィス「フェラガモ」クリエイティブ・ディレクター(以下、デイヴィス):もちろん、初めての挑戦だったから。でも、マルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)CEOは「ジバンシィ(GIVENCHY)」時代にも当時25歳だったリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)を抜擢して成功に導いた実績がある人物。そんな彼が自分を選んでくれたことが自信につながった。マルコはとても協力的な人で素晴らしい指導者。私たちは目標やゴールが何なのか、いかにブランドを立て直して発展させるかについて何度も話し合った。クリエイティブ・ディレクターにとって、CEOとの関係性はとても重要。(ファッション業界内では)悪夢のような話もよく聞くから、とてもありがたく感じている。
WWD:就任から2年がたったが、今の気持ちは?
デイヴィス:居心地はいいと感じているけれど、私は常に自分がこれまでやってきた以上のことができると信じている。自分の仕事が“これで終わった”と満足することはない。いつだって学び、成長したいし、発展させたり変化させたりしていきたいことがある。