iPhone 16のカメラコントロールに詰め込まれていた「アップルの技術と思い」
■3種類もの異なる役割を持つセンサーやスイッチを内蔵 細部にまでこだわった入念な設計と、ハードウェアとソフトウェアが緊密に連携している点が、カメラコントロールをアップル製品らしい装備にしていると語るPiyush Pratik氏。ハードウエア開発の詳細は、iPhoneプロダクトデザイン バイスプレジデントのRichard Dinh氏が説明を引き継ぎました。 Richard Dinh氏は「カメラコントロールは静電容量式タッチセンサー、フォースセンサー、タクタイルスイッチで構成されています。それらの上に、見た目も触感も美しいサファイアクリスタルをはめ込みました」と解説。実に3種類もの異なる役割を持つセンサーやスイッチが用いられていることを明かしました。
サファイアクリスタルの直下にある静電容量式タッチセンサーは、iPhoneのタプティックエンジンと連携し、操作に合わせて正確な触覚フィードバックを指に伝えるよう工夫。一番奥に位置するフォースセンサーは高精度の圧力センサーで、カメラコントロールを押す力をミクロン単位の分解能で検出します。「タッチセンサーとフォースセンサーは密に連携し、操作の精度を高めるだけでなく、誤った操作を識別して無効にする仕組みも備えています」(Richard Dinh氏) フォースセンサーの直前にあるタクタイルスイッチは、MacBookシリーズのトラックパッドとは異なり、クリック感のある物理的なスイッチを採用しています。「高精度な物理スイッチを用いることで、たとえ指が濡れていても、手袋をはめていても、カメラを素早く起動させて写真や動画を撮影できるようにしました」(Richard Dinh氏) カメラコントロールの表面にはめ込まれたサファイアクリスタルは、指で触れるだけで位置を判別できるよう表面の仕上げを工夫。さらに、ほかのボタンとは異なり本体側面と“ツライチ”になるようフラットに仕上げ、誤クリックをなくす工夫も施したとRichard Dinh氏は語ります。