年収200万~300万円台でも「人生に後悔はない」が最多…調査で判明した"日本人らしい"プリミティヴな後悔
■あなたは妻に内心嫌われているかも さて、ここからは男女別の傾向を見ていこう。男女ともに「やりたいこと」の上位は「旅行」だが、男性は「家族との時間をつくる」が3位に入る。一方、女性は「家族との時間をつくる」が5位だ。家族との時間をどれだけ重要視するかにおいて、男性と女性で違いが見られた。 「やらずに後悔したこと」を見てみると、男性は「なし」と答えた人が多く、「人生やり切った感」が伝わってくる。一方で、女性は「資格取得・勉強」を選んだ人が最多だ。また、「投資」や「貯金」「仕事の充実・目標達成」も上位にきていることを考えると、女性の経済的自立が難しかった時代の影響がうかがわれる。 「女性は育休中に再就職のための資格取得をする人も多い。育児に多くの時間をとられてそれができなかった人は後悔しているのかも」(松田さん)
■死に際が近づけばカネの後悔はなくなる 年代別に見ると、70代と80代とでは「やらずに後悔したこと」が違うのが興味深い。70代はキャリアやお金にまつわる後悔が上位を占めるが、80代になるとプライベートの充実に関する後悔が増えてくる。寿命が近づくほどお金に関する後悔が消えるのだ。 「現在の70代は、高度経済成長期を生きてきた世代。『家族との時間をつくる』が上位にあるのは、現役のころ猛烈に働いてきた反省からではないでしょうか」と松田さんは分析する。一方で、80代になると「旅行」や「楽器演奏」「ボランティア」など、人とのつながりに関する後悔を選ぶ傾向に。人間関係の豊かさと幸福度は密接に関係していることがうかがえる。 50代に目を向けると、「やりたいこと」のトップ2が「旅行」である。 松田さんは「今の50代は70~80代の親世代を見て、いくらお金があっても体力が落ちると旅行に行けないのを見ている。そのため旅行が上位にきているのかも。私は今51歳ですが、周りを見ても旅行に意欲的な50代が多いと感じます」という。 70代の「やってよかったこと」の1位は「結婚」。60代以下では、「仕事の充実・目標達成」が1位なので、定年後しばらくしてから家族のありがたみに気付くのかもしれない。