自動運転トラックで一般道走行目指す…いすゞ自動車、27年度事業化へ
いすゞ自動車は高速道路と一般道を途切れなく走行できる自動運転トラックを2027年度に日本で事業化する方針を固めた。自動運転ソフトウエアを手がける米Applied Intuition(アプライド・インテュイション)と業務提携を締結。特定条件下での完全自動運転「レベル4」に対応する車両を開発する。日本で自動運転トラックが一般道を走行するのは現時点で例がないという。 【一覧表】自動運転に関わるいすゞ自動車の動き いすゞとアプライドは自動運転ソフトを共同で開発し、いすゞの大型トラックに搭載。26年度に実証走行を実施し、27年度に自動運転ソリューションとして事業化する計画。 両社が目指すのは、拠点間をシームレスに自動運転で走行するトラック。出発地点から一般道を通って高速道路を経由し、インターチェンジを通過して再び一般道を通り、目的地の物流事業者の拠点まで自動で走行することを想定する。次のステップでは、いすゞの関東、関西、中部地域の部品センター間における自動運転を目指す。 いすゞは30年度に売上高6兆円を目指しており、このうち既存事業で5兆円以上を売り上げる計画。残りは新事業を見込んでおり、その柱の一つとして自動運転ソリューションを掲げる。自動運転トラックの“頭脳”となるソフトを手がけるアプライドと協業することで「必要なピースはそろった」(南真介社長)としている。 アプライドは17年設立のスタートアップ。自動運転の車両開発向けシミュレーションソフトなどを手がけ、トヨタ自動車や日産自動車、独フォルクスワーゲン(VW)グループなどと取引実績を持つ。 いすゞは23年、人工知能(AI)を用いて自動運転の安全性を検証する技術を持つイスラエルの新興企業、フォーテリックスに出資。24年3月にはティアフォー(名古屋市中村区)への出資と、レベル4対応の自動運転路線バスの共同開発を公表した。さらに同5月には、北米で倉庫間をつなぐ自動運転物流サービスを提供する米Gatik(ガティック)への出資を発表するなど、自動運転技術の獲得に向けた取り組みを積極化している。