Uターン就職希望者をターゲットにした採用に、SNS広告を活用できますか?
数字だけで一喜一憂しないこと。問題はWebサイトや導線にあることも!
そしてもう1つ気をつけてほしいことが、「反応数だけで広告効果を決めてしまう」ことです。 あるあるなのが、「契約が5件入ったときに、すぐにSNS広告が当たっているからだ」と思いこむパターン。逆に「問い合わせが0件だから、広告を出す意味はないかも……」と決めつけてしまうパターンもあります。一見これはデータを見ているようで、実は結果の数字だけに捉われているのです。 ちょっと次の事例を考えてみてください。 たとえば、お弁当屋さんのメニューのなかで、人気のお弁当を調査するとします。1か月で100人のお客さんがお弁当を買った場合、売上個数から最も売れたお弁当、最も人気のないお弁当も数字として出すことはできるでしょう。 しかし、この数字のなかには「看板を見て美味しそうと思って店の前に行ったけど、惹かれる弁当がなくて何も買わなかった」「メニューを5分ほどじっくり見たが、意外と高くて買わずに帰った」といった人は入っていません。つまり「見込み客」までは、把握できていないのです。 これと同じでSNS広告においても、「クリックしたものの、次のアクションまではしなかった」という問い合わせ数や契約数には反映されない人がたくさんいる、ということを理解しておきましょう。 「広告の効果は必ずしも数字に反映されるわけではない」というのも矛盾しているようですが、覚えておいてください。すなわち、問い合わせ数や契約数だけを見て「効果がないからやめよう」とSNS広告を諦めてしまうのは、非常にもったいないことなのです。 そもそも、Web広告は求めるターゲットを呼び込む「入口」であり、最終的なゴールはWebサイト内にあります。SNS広告を進めていったのに、採用までたどり着かない場合は、Webサイトの構成や動線に問題があるのかもしれません。そういった広義の視野をもつことは難しいかもしれませんが、そうした可能性を頭の片隅に置いておいていただけたら幸いです。
森先生からのアドバイス
SNS広告の魅力は、ターゲットの属性を絞れることです。今回のように狙うターゲット層が具体的に定まっている場合は、特に効果的な手法だと言えます。ただし、お伝えしたように「どのSNSに広告を出稿するか」が重要です。最もやってはいけないのが、いろいろなSNSに手あたり次第に広告を出してしまうことです。 特に予算が限られていると、いろいろなSNSに広告を出す方が得だと思われがちですが、これは大きな間違いです。ターゲット層の年代や役職など、さらに分析を重ねて、慎重に吟味するところから始めてみてほしいと思います。