亀田興毅氏が1000万円マッチで配信サーバーをダウンさせた理由とは?
ボクシングの元3階級王者、亀田興毅氏(30)が7日、都内のスポーツ施設で行われたAbemaTV開局1周年記念スペシャル企画「亀田興毅に勝ったら1000万!」に出演、同番組は午後6時から5時間にわたって生放送されたが、視聴アクセスが殺到、第一試合の始まる午後7時40分ごろから第2試合の終わる21時頃まで一時的に配信サーバーがダウンする異例のアクシデントがあった。ユーチューブ、フェイスブックに誘導されて視聴は可能だったが、1300万アクセスを超えるAbemaTV開業以来、最多視聴数を記録した。 AbemaTVは、早実の清宮幸太郎が出場した高校野球の春季東京都大会決勝も生放送して、日大三高に18-17でサヨナラ勝利した激戦に視聴アクセスが殺到していたが、その数字を遥かに越える人気となった。 「亀田興毅に勝ったら1000万!」は、一般の視聴者から挑戦者を募集、2983人もの応募者からオーディションと予選スパーリングなどを行い、ホスト、ユーチューバー、高校教師、元暴走族総長という強烈なキャラクターを持つ4人が選ばれた。安全確保のためヘッドギアと練習用の14オンスの大きいグローブを使い、一人3分3ラウンドの試合を亀田氏が順番に4試合戦う特別企画。判定ナシのKO、TKOのみで決着という特別ルールだった。 AbemaTVの関係者は「対戦相手を決める過程もあって、予約の段階で14万件もあり、現役時代から高い視聴率を残すなど人気だった亀田さんと、企画の中身に興味を抱いてもらったのでしょうが、予想以上の反響で視聴者の方々に迷惑をおかけしました」と説明したが、1年半のブランクを経た亀田氏が、個性のある素人相手にどんな戦いをするのか、という興味と話題性に、アンチファンを含めかつて亀田氏のボクシングを見てきた層を掘り起こしたのだろう。 企画の中身は、エンタメとスポーツの中間を取ったもの。今回の企画の製作スタッフがTBS系列で元WBA世界ミドル級王者の竹原慎二氏らが個性豊かな素人をプロボクサーへと鍛え上げていく過程が人気を博した「ガチンコファイトクラブ」と同じのため、その“リアリティバラエティ番組”だったガチンコファイトクラブのコンセプトを継承した企画内容になった。 応募には天才キックボクサー、那須川天心の名前もあったというが、未成年であることと、“エンタメボクシング”の企画の主旨にそぐわないことから、現役格闘家、元プロボクサーは除外されている。 会場には、新宿にある巨大なスポーツ施設が使われ、出場選手の応援団や関係者だけが招待されるクローズドなものだったが、1000人近い人で埋まって熱気ムンムン。 競技ではなくエンタメ要素の強い「元世界王者vs素人」の試合を真面目に賛否するのは本意ではないので、試合内容を簡単に記すことにするが、第一試合の相手は、歌舞伎町のホストクラブの支配人、神風永遠さん(28)で喧嘩無敗がキャッチフレーズだった。 引退した大毅氏をセコンドに従え登場した亀田氏は、ガードをしっかりと固めてチャンスを伺いながら左ボディから左フックで2度ダウンを奪い、最後は左ボディ3発から左フックでフィニッシュ。ドクターを待機させていたが、急いでリングに駆け込むほどの強烈なダウンシーンだった。もっと遊んで終わらせるのかと予想していたが、想像以上に亀田氏は本気モードだった。 「世界チャンプは倒して当たり前、ちょっとでもやられると、ボクシングというものが馬鹿にされる」という気持ちと、1年半ものブランクに対する不安が余裕をなくしていたのかもしれない。