亀田興毅氏が1000万円マッチで配信サーバーをダウンさせた理由とは?
第2試合は、ユーチューバーのジョーさん(25)。アマゾン川や南米大陸のバイク横断や世界の危険スラムへの突撃などをユーチューブにアップしているジョーさんは、元WBC世界Sフライ級の名王者、徳山昌守氏を生み出した金沢ジムで約1年、沖縄のアマチュアジムなどを含めると計4年ほどのボクシング経験があり、しかも、事前にこの日の4試合をレフェリーとして裁いた戎岡彰氏のジム「戎 FORTIFICAR BOX」で、戎岡の弟で世界挑戦経験のある淳一氏と共に特訓を積んだ本格派サウスポーだった。 動きも軽快で左ストレートをスウェーで外して見せて場内を沸かせた。2ラウンドに密着戦からブレイクが解かれると同時に左ボディをみぞおちに受けてたまらずダウン。場内の「ジョーブログ」のファンから「立つんだジョー!」と、劇画「あしたのジョー」の名シーンを再現するような声が飛んで会場がどっと沸き、「そういう声援がずっと心強かった」と立ち上がった。試合は3ラウンドに突入したが、スタンディングダウンを取られた後に、再び左ストレートを効かされてTKOが宣告された。 最初は「久しぶりのリングで楽しかった」と語っていた亀田氏も、この2試合目を終えると「足がついてこない、しんどいですわ」とトーンが下がってきた。 3試合目は、自転車競技で日本一経験のある公立高校教師の松本諒太さん(25)。今回の試合は、70キロ以下が条件で、当日計量を4人全員がクリアしたが、60キロ前後の亀田に比べて、ひと回りは大きい肉体だった。素人まるだしのパンチだったが、さすがに体重分の威力はあって亀田氏のガード上からも「パンチは重たかった」という。それでも第2ラウンドに左ストレートでぐらつかせると再びショートの左ストレートをタイミングよく繰り出してダウン。立ち上がったが、右のオーバーフックがヒットしたところでレフェリーの戎岡が試合を止めた。 亀田氏の顔が少し腫れてきた。「もっと簡単にいくと思っていたけれど、ここまでとは予想していなかった。ブランクは怖いですね」と、試合終了ごとに解説席に座ってのコメントにも余裕がなくなってきた。 慣れない3ラウンドごとに試合を入場から仕切り直す方式も疲れが増したという。 最後の試合は、全身刺青で迫力満点の暴走族の元総長のユウタさん(33)。ボクシング経験はないが、地下格闘技の試合には出場している“格闘家”で、ただの喧嘩屋ではなかった。 左のジャブを繰り出してくる本格な距離の取り合いに亀田氏もクリーンヒットを奪うことができず第2ラウンドの終わりに左フックでよろけさせたが、決め手とならなかった。第3ラウンドに突入。「来い!来い!」と派手なパフォーマンスで挑発しながら、執拗な左のボディ攻撃から終了間際には、左右のフックを振り回してラッシュを仕掛けたが、4連続KOとは行かずに試合終了のゴングが鳴った。 「何回も倒れたかったが、技術で負けても気持ちだけでは負けたくなかった」という元総長は、すぐにキャンバスに大の字になった。