2億5000万円の競走馬 スターダムにのし上がれるか?
■2億5000万の馬としてデビュー前から注目を集める デビューからの3連勝でG3きさらぎ賞を制覇。その馬名(スターダム)を地で行くかのように、一気に今年の牡馬クラシック候補へと踊り出たトーセンスターダム(牡3・池江)。実は競馬ファンにとっては早い時期からその存在を知られた馬でもあった。 一昨年の夏、トーセンスターダムは、「アドマイヤキラメキの2011」という上場名で、セレクトセール2012で取引されている。5000万円のリザーブ価格(最低落札価格)から始まったセリは、1000万円単位で数字をあけていき、この年の1歳市場では最高額となる2億5000万円(税抜き)まで高騰。落札したのは、「トーセン」の冠名で知られる島川隆哉氏だった。落札後には、2億5000万円のサラブレッドとなった「アドマイヤキラメキの2011」の周りを多くの取材陣が取り囲んだ。 ■なぜにトーセンスターダムは2億5000万円の馬となったのか? 現在のトーセンスターダムの活躍からすると、落札額の2億5000万円を稼ぎ出すことは可能なことにも思えてくるだろう。それでも、それほどの評価となったことを疑問に思った方もいるだろう。前述の通り、トーセンスターダムのリザーブ価格は5000万円。 もし最初の一声の後で、誰も競り合わなかったとするなら、その額で落札されていた。しかし、実際には、至る所から金額の提示があり、あっという間に1億円、そして2億円を突破。最終的に、島川氏が2億5000万円という金額で決着した。トーセンスターダムには、それだけの額を出しても手に入れたいと馬主に思わせる理由があった。 トーセンスターダムの父は、あのディープインパクト。現役時の通算成績は14戦12勝。G1レースの勝利は、三冠クラシック(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)を含む7勝をあげ、また、その圧倒的な強さから「日本競馬史上最強馬」との評価も集めている。